④小さなくまモン(宮崎市・KIGURUMI.BIZ)いつかは欲しい極めつけの逸品
くまモングッズの「極めつけ」は、この「小さなくまモン」(112,000円/税込)である。くまモンのぬいぐるみは、数限りなく存在するが、今まではどれもが「本物とどこか違う」ものばかり。ところがこの「小さなくまモン」は、本物のくまモンの縮小版で、ファンが待ち望んでいたものだった。
残念ながら私は持っていないのだが、熊本の知人の事務所に遊びに行ったら、窓際でこの小さなくまモンがこちらを見つめていた。駆け寄って、思い切り抱きしめたのは言うまでもない。手触りもモフモフ感も、くまモンそのもの。奪取してこようと画策したが、座っていて65センチ、重さが3キロあるので、こっそり連れ帰ることはできなかった。
着替えも販売されており、ファンの中には我が子のように、あるいは相棒のように家に迎え入れた人が数多くいる。
「コロナ禍で自宅勤務となり、鬱々とした日々を過ごしたけれど、この子がいたから救われた」という声も耳にした。気持ちは痛いほどわかる。あの時期、私も「無理しても迎え入れればよかった」と思ったものだ。
いつかはほしい一品であり、逸品である。
くまモンは、毎年1000億以上稼ぎ、コミュ力が高い
くまモンの「推し活」をするようになって11年。メモ帳に付箋、数本持ち歩いているペン、Suicaケースにスマホケース、すべてくまモンがついている。それが日常になってしまった。そんなファンは多いだろう。
だが、いちばんうれしく、気持ちが上がるのは、やはり本人に会ったとき。それはどの「推し活」も一緒だろう。くまモンはしゃべらないけれど、抜群のコミュ力を誇る。ダンスもうまいし、常に360度全方位に気を配る。その適応能力の高さと、臨機応変な対応を一度見れば、誰もが驚くはずだ。
今年3月23日には、地震からの復興を果たした新しい熊本空港が完成する。また、世界最大手「台湾積体電路製造」(TSMC)の半導体工場が、現在熊本県菊陽町に建設中で、2024年には生産が開始される。台湾と熊本の交流を促進するため、くまモンはCPO(プロモーション最高責任者)に任命されている。熊本県の公務員で、営業部長兼しあわせ部長という肩書きに、さらに役職がついたのだ。
今後、ますます活躍が期待されるくまモン、関連商品の売り上げは2011年の調査開始から11年で、累計1兆1341億円に達している。2021年の売り上げは、1546億円。
さらに昨年は、ジュノンスーパーBOYコンテストに参加、「イケメソ」になるべく筋トレやお肌の手入れにいそしみ、ベスト75に選出されたところで、「ボクはがんばっている他の男の子たちの応援に回るモン」と、苦渋の末に潔(いさぎよ)く降板、応援大使として活躍した経緯もある。
毎年1000億以上稼ぐ男、なおかつコミュ力が高く、ユーモアがあって、粋な行動ができるイケメソ(イケメン、ではなく)なのである。これ以上のハイスペ男子がいるだろうか。
※商品の価格は2023年2月執筆時点のものです。
<文/亀山早苗>