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幽霊の佐藤健にキュン…。ドラマ『100万回言えばよかった』でみせた“美しさ”とは

名場面が生まれるのではないかとゾクゾク

 本作では、直木が幽霊になった理由をある殺人事件の捜査とさまざまな回想や過去の因縁によって徐々に明らかにしていく。ときにゴシックホラー風のゾクゾク感を漂わせながらも基本的にはラブロマンス。  第3話のラストで、姿が見えない直木に対して、「好き」の気持ちを悠依がありたっけの思いを込めて何度も伝えようとする、公園での場面がある。一方的な伝え方のようで、それを遠目から見守る魚住からしたら美しく切ないラブロマンスの風景として映る。魚住は、思わずキュンとする。  このキュン。見えない、触れられない者同士だからより強く感じられる。直木が吹くヘタクソな口笛の音だけは聞こえることがわかり、意思疎通の手段が見つかったふたりだが、彼らがお互いに触れて温もりを感じる手段はないものだろうか。  ここで思い出される永遠のラブロマンス映画『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)。恋人たちが身体を寄せ合う陶芸場面が有名だが、ろくろを回すデミ・ムーアを後から包み込んだパトリック・スウェイジのように、佐藤健もまたそっと井上真央の身体を抱く。  ふたりでもう一度だけ溶け合おうとするファンタジーな名場面が生まれるのではないかと、筆者はゾクゾクしながら期待している。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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