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野良猫より地獄なのは“放置された飼い猫”、猫マンガ家に聞く想い

AIMで猫が30年生きる未来が来たら

――元東大教授の宮崎徹先生による、猫の死因トップである腎臓病を直すAIMの研究は、完成すると猫の寿命を30年に延ばすと言われています。画期的なことですが、30年生きる動物になることは、飼うことへのハードルが高くなるという意見もあります。 野良猫より地獄なのは“放置された飼い猫”、猫マンガ家に聞く想い園田「独身で結婚しない人が増えて、結婚しても子どものいない家庭も増えていて、一方で猫を飼う人は増えている。猫の寿命が延びても、引き継ぐ子供がいない。そういったことも社会問題になっていくだろうとは思いますね。私だって40歳くらいで死んじゃうかもしれない。家族がいる人も、その家族が動物を飼える環境かもわからない。みんな何があるかわからない。繰り返しになりますが、法律で、ある程度システム化していくしかないんじゃないかと思います。自助努力でどうにかしろという考えが、私はあまりよくないと思ってるんです。社会が変わっていくしかないと思います」

その人が何か言ったり思ったりするトリガーになってくれたら

――ところで、先生が好きな猫本を教えてください。 『ポッケの旅支度』園田「ちょっと前にすごく泣いたのはイシデ電さんの『ポッケの旅支度』(KADOKAWA)です」 ――私も泣きました。 園田「ですよね。猫を看取るという実録の猫漫画なんですけど、猫飼いはみんな泣くと思います。もともとイシデさんの猫漫画が好きで読んでいたんですが、特にすごく泣ける内容でした。同じ職業ですし、私の将来の話かもしれないと思うと、本当に胸に来ましたね。おすすめです」 ――『ツレ猫』も本当におすすめの漫画で、これから新しく出会う人が羨ましいです。最後に読者にメッセージをお願いします。 園田「読んだ方の感想で嬉しいのが、『うちの猫はこうです』とか、『自分はこうだ』とか、作品が、その人が何か言ったり思ったりするトリガーになってくれることです。肯定的な意見だけじゃなくても反応があることが嬉しいです。この漫画で何かを学んで欲しいとか、そういったことは特に思っていません。単純に漫画として楽しんでもらえたらと思います」 <取材・文/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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