恵さんは結婚後の働き方について、あまり深く考えていませんでした。「
辞めた方がいいなら辞めるし、働いた方が良ければ働く」とぼんやりしています。こんなふうに無自覚に依存心高めな女性も、関西には多いのです。しかしこうした傾向もまた、婚活で苦戦する原因になっています。
総務省統計局の
調査によると、2020年の専業主婦世帯は571万世帯で共稼ぎ世帯は1240万世帯です。90年台を境に、専業主婦世帯の方が少数派になりました。
「結婚するなら共稼ぎ希望」という男性が圧倒的に多く、今は専業主婦希望の女性は婚活で苦戦します。絶対に専業主婦希望という女性は今はほとんどいません。しかし、潜在的に結婚を機会に仕事をセーブしたいという女性は珍しくありません。これも一歩間違うと男性からすれば、経済的に依存しそうな女性に見えかねないのです。
人気がある高収入男性はハイキャリアの女性と結婚する確率が高く、そんな男性ほど“依存しそう”な女性を避けます。人気があって相手を選べる男性なら「仕事はやってもいい」女性と、「結婚後も仕事は続けます」という女性なら後者を選びやすいです。
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総務省統計局「
平成29年就業構造基本調査」を見ると、夫婦共に有業の世帯は全国で48.8%、東京で49.9%。
47都道府県のうち共稼ぎ率が最も低いのは奈良県の42.0%、次いで大阪府44.0%、兵庫県44.5%と、どれも近畿地方です。

全国平均と比べると関西は今も専業主婦世帯が多く、その中には結婚観が昔のままという女性も少なくないのかもしれません。では関西の男性は一人で家族を養えるほど収入が高いのでしょうか。
男性の平均年収をエリアごとに比較すると、関東の男性平均年収は473万円、東海地方は439万円、関西地方は431万円(doda「
2022年平均年収ランキング」より)。関西地方の男性が特別に他の都市部より稼いでいるわけではなさそうです。
恵さんは「アプリだと年収が高い人がたくさんいるんですけど、これって盛っていたりするってことですよね」とようやく自分の現状把握が甘かったことに気が付きました。