――とても丁寧に演じられていたと思いますが、自分と遠いキャラクターを演じる作業は難しいですか?
菅生:難しかったですね。彼は繊細な人なんです。なので、細かいところが大事なのかなと思いました。演じていて、なかなかツキをつかめない瞬間もありました。枝監督と何度も話し合い、演出していただいて、ツキのイメージを固めていけたと思っています。
――2022年に話題になったドラマ『初恋の悪魔』から今年放送の『凋落ゲーム』、そして今回の『イカロス 片羽の街』まで、仕事が好調な現在をどう受け止めていますか?
菅生:オーディションやオファーなど、ありがたいことにチャンスに恵まれていると思います。でも、チャンスをもらえることは当たり前ではないので、ちゃんとつかもうという気持ちが一番にあります。今は順調にやらせていただいていますが、当たり前のことではないから感謝しないといけないんです。だからこそ人に伝えられるものは伝えたいし、今後も好奇心旺盛に学んでいこうと思っています。
――お芝居は楽しいですか?
菅生:楽しいですけど、難しいです。自分じゃない誰かを演じているため、自分でも知らなかった自分を知ることがあります。「自分って、こういう顔をするのか」など、日々驚きです。お芝居は相手がいて、人と人との関係をつなぐものなので、なかなか一筋縄ではいかないものなのですが、悩むことも楽しいんです。苦労ももちろんするし、大変ではあるけれど、それも含めて楽しめています。
――今年で俳優活動を本格的にスタートして1年となりますが、今の原動力は何でしょうか?
菅生:何のためにやっているか自分の中で答えは固まっていないのですが、ただ観てくださる方たちに向けてやっていることは間違いないです。ドラマやエンタメって素敵なもので、たとえば1週間に1回、その日のために頑張れる方たちもたくさんいるわけで、そういうモノを作れる環境に参加できることは、本当に素敵なことだと思うんです。
自分たちが頑張ったことで、誰かが頑張ろうと思えるだけで僕はうれしいです。その方たちの時間をもらうわけなので、よいと思っていただける作品を残せたらなと思っています。
――この先、30代、40代のことはどう考えていますか?
菅生:大まかですけど、考えはあります。3年目、5年目、10年目、節目の目標を立てて、毎年少しずつでも成長できる仕事を積み重ねていきたいです。今年はこういうことを吸収できた、とちゃんと振り返られるように悩んで考えていければと思います。
『初恋の悪魔』の時に監督から「ずっとそのフレッシュな感じを忘れないでね」と言っていただいて、それが心に残っているんです。慣れたり当たり前になると、楽しむことも忘れてしまう人が多いのかなと。自分が楽しめなければ、視聴者の人も楽しめないですよね。自分がこの仕事をしている限り、それを忘れないでいきたいです。
<取材・文/トキタタカシ>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、
インスタグラムにて写真レポートを行うことも。