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「お金があったのが不幸の元かも」ひきこもり息子を支える、裕福な62歳・パート主婦の嘆き

息子に「この虐待親が!」と怒鳴られた

「毎日パソコンでオンラインゲームをしているようなので、いっそのこと……と思い、マンションのネット回線自体を止めたこともあります。でも、そうしたら亮は今までにないぐらいの暴れようでした。『俺はネットの世界にしか居場所がないのに、お前はそれも奪うのか』と言われると、何も言えなくなってしまって。  今では私が、もうすぐ30歳になる息子に三度の食事を届け、家事などの身の回りのことをすべてやっている状況です」 ひきこもり 美知恵さんがここまでしていても、亮さんは不満をこぼすばかりで、気持ちが届いている様子はありません。 「先日、『これは虐待だと電話相談の人に言われた。この虐待親が!』と激怒されたんです。生活費も、オンラインゲームの課金も、自由に使えるお金も、もちろんすべて私が出しているのに、どこが虐待親なのかがよくわかりませんでしたが……。でも、これも私が亮を甘やかしてしまった結果なのだと思います」  電話相談が具体的にどういったものか本人は話してくれないそうなのですが、全国に設置された「ひきこもり地域支援センター」などのセーフティネットに繋がろうとした可能性があります。だとすると亮さん自身も、このままではいけないと必死で助けを求めているのではないでしょうか。

息子がニートだなんて、誰にも相談できない

 今の唯一の息抜きは、スーパーでのパートだという美知恵さん。 「言い方は悪いのですが、私の働くスーパーでパートをしている方の中には、金銭的に困っている方も多いみたいで。私がお金には困っていないと知ると、お金を貸してほしいと言われることもあります。息子がニートだなんて、とても相談できません。『あなたが甘やかしたから悪い』って言われるに決まっていますから。実際に、両家の親戚からは私が責められています……」  私はいったいどうすればよかったんでしょうか、と力なく笑う美知恵さん。
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この「甘やかし」は息子にとって、愛なのか
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