鈴木亮平が40歳を迎えた今、「無双状態」にあるワケ。過去作、最新作で見せた驚きの姿
救急救命医療のプロフェッショナルに様変わり
『エゴイスト』(2023年)でも、華美で優雅なファッションをまとっていた姿が印象的だったが、基本的にジャケットやスーツスタイルの鈴木は、無敵になる。各作品の衣装に合わせた丹念な役作りとも言える。
そんな鈴木がある衣装を着るとさらに無敵、いや無双状態にすら入る作品がある。白を基調とした無菌加工の制服をひとたび着衣すれば、あっという間に救急救命医療のプロフェッショナルに様変わり。
そう、2021年に放送された『TOKYO MER~走る救急救命室~』(以下、『TOKYO MER』)だ。担ぎ込まれても、この人の手にかかれば、絶対に安心。医療ドラマは数あれど、これだけ安定した佇まいのある医師役を体現できた例は、あまり多くはない。
完全ノックアウト作品『TOKYO MER』
ドラマ第1話では、冒頭からはつらつとした演技で視聴者を魅了していた。鈴木演じる喜多見幸太は、東京都が知事直属組織として新たに発足させた「TOKYO MER」のチーフドクター。白い制服ジャケットを羽織り、「よしっ!」と言って、ドクターの名札を左胸にペタッとする。
たったこれだけで、カッコいい。でも単にカッコいいんじゃない。“カッコいいの超人”なのだ。
実を言うと、筆者はこれまで特に鈴木のファンではなかった。が、『エルピス』でうなり、『エゴイスト』でたまげて、そして『TOKYO MER』で完全にノックアウト。
ちょうど過去作から順を追うかたちになったわけだが、それだけに遅ればせながら、鈴木亮平という俳優の奥深さを痛感したのは確か。完全ノックアウト作品『TOKYO MER』の劇場版ともなると、鈴木の魅力にさらなる磨きがかかり、どれだけ恐ろしかろうと思ったものだ。
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