ところが時代は変わりました。女性が社会進出を果たすと、男性よりも仕事ができることが判明し、まだまだ同等とはいかないまでも経済力の面でも肩を並べるほどの勢いを持ち始めます。
そこで、女性にはできない労働でカネを稼ぐという男性の優位性がゆらぎ始める。すなわち、社会において“男であること”の価値が脅かされるのですね。
昨年欧米でベストセラーとなった『Of Boys and Men: Why the modern male is struggling, why it matters, and what to do about it』(RIchard V. Reeves)という本は、コミュニケーション重視の現代社会と労働市場の変化が、いかに男性にとって不利な環境をもたらしたかを説いています。過激な女性嫌悪や暴力的な思想も、男性の優位性が失われたことから生じていると言っているのですね。
いまの日本も似た状況にあります。だからといってかつてのような「男の力に屈する女」という理想を簡単に捨てきれるわけではありません。むしろ、不遇な時代だからこそ、ノスタルジーは濃縮されているとさえ言えそうです。