――今のお話にも出ましたが、ご自身は運が良かったと思いますか?
加藤「思います。運は大きいです。僕が俳優になれたのも、もっと戻って、『MEN’S NON-NO』のモデルになれたのだって、選ばれたからです。ほかの雑誌には全然選ばれてないわけですから。僕がかつて通っていた大学の先生に久しぶりに会ったときにこんな話をしてくれました」
――はい。
加藤「『運というのはな、自分の体を“運ぶ”という字だろう。運をつかんだ時というのは、そこにお前が行ったから。その人と出会って仕事にするためには、待つんじゃない、行くんだよ』と。そうだよなと。だから、いろんなところに行って、いろんなことをやってみたら、運が落ちているかもしれない。犬も歩けば棒に当たるって言うけど、良くも悪くも、運をつかむには、自分を運んで出歩かないとね」
――なるほど。ステキなお話です。
加藤「あと、自分の運気が悪いなと感じたら、部屋を片付けるといいです。不思議なもので、ちょっとしたことで、変わります。部屋を掃除する。これが無理なら、脱いだ靴を揃えてみるとか、それだけでもいいんです。今までできていなかったことを、ちょっとだけ変える。
僕が考えるに、そうした、脱いだ靴を揃えるとか、小さなことに気が付く、目を向けるといったことによって、自分の仕事をやるときにも、『ちょっと待てよ』と一瞬立ち止まって、『これはこうじゃないか』と修正したり、これまでだったら、そのまま提出して撥ねられていたものを、その前に自分で気づけるようになるんじゃないかと思います。

それとはまた違いますけど、今回僕がやったお父さんは、周りとの時間の流れについていけない人ですが、『こんなところにポストがあったんだ』とか、お茶碗にタンポポを刺して『キレイだよね』と言える人なんじゃないかなと。つまり、最初にもお話した、心の豊かさがある人。ちょっとゆったり過ぎる人ですけど。でもそうしたものに気づくことも大事だと思いますよ」
<撮影・文/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi
(C) 2023『1秒先の彼』製作委員会
『1秒先の彼』は7月7日より全国公開
配給:ビターズ・エンド
公式サイト:
https://bitters.co.jp/ichi-kare/
あらすじ :台湾映画『1秒先の彼女』を、舞台を台湾から京都に移し、さらに男女のキャラクター設定を入れ替えてリメイクしたラブストーリー。郵便局の窓口で働く、何をするにも人よりワンテンポ早いハジメ(岡田将生)が、「消えた1日」を探すことに。カギは、なんでも人よりワンテンポ遅い大学7回生のレイカ(清原果耶)が握っているらしいのだが……。『天然コケッコー』『オーバー・フェンス』の山下敦弘が監督、宮藤官九郎が脚本を担当。
加藤雅也Instagram:
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