還暦を迎えた元祖メンノン出身俳優、ずっと大切にしてきた“若き日の先生の教え”
「運」をつかむには待つんじゃない、自分を運べ
――今のお話にも出ましたが、ご自身は運が良かったと思いますか?
加藤「思います。運は大きいです。僕が俳優になれたのも、もっと戻って、『MEN’S NON-NO』のモデルになれたのだって、選ばれたからです。ほかの雑誌には全然選ばれてないわけですから。僕がかつて通っていた大学の先生に久しぶりに会ったときにこんな話をしてくれました」
――はい。
加藤「『運というのはな、自分の体を“運ぶ”という字だろう。運をつかんだ時というのは、そこにお前が行ったから。その人と出会って仕事にするためには、待つんじゃない、行くんだよ』と。そうだよなと。だから、いろんなところに行って、いろんなことをやってみたら、運が落ちているかもしれない。犬も歩けば棒に当たるって言うけど、良くも悪くも、運をつかむには、自分を運んで出歩かないとね」
運気が悪くなったら、部屋を片付けるといい
それとはまた違いますけど、今回僕がやったお父さんは、周りとの時間の流れについていけない人ですが、『こんなところにポストがあったんだ』とか、お茶碗にタンポポを刺して『キレイだよね』と言える人なんじゃないかなと。つまり、最初にもお話した、心の豊かさがある人。ちょっとゆったり過ぎる人ですけど。でもそうしたものに気づくことも大事だと思いますよ」
<撮影・文/望月ふみ>
- 物語の鍵となるハジメの父・加藤雅也
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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(C) 2023『1秒先の彼』製作委員会
『1秒先の彼』は7月7日より全国公開
配給:ビターズ・エンド
公式サイト:https://bitters.co.jp/ichi-kare/
あらすじ :台湾映画『1秒先の彼女』を、舞台を台湾から京都に移し、さらに男女のキャラクター設定を入れ替えてリメイクしたラブストーリー。郵便局の窓口で働く、何をするにも人よりワンテンポ早いハジメ(岡田将生)が、「消えた1日」を探すことに。カギは、なんでも人よりワンテンポ遅い大学7回生のレイカ(清原果耶)が握っているらしいのだが……。『天然コケッコー』『オーバー・フェンス』の山下敦弘が監督、宮藤官九郎が脚本を担当。
加藤雅也Instagram:masaya_kato1192















