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Netflix『離婚しようよ』が抜群に面白いワケ。色気が凄い錦戸亮、欲望まみれの松坂桃李に沼る

明らかなダメさをカバーする、色気が凄い錦戸亮

もうひとりのダメ男が、錦戸亮演じる加納恭二。彼は運命的にゆいと出会い、恋に落ちる浮気相手として、物語の展開に大きな影響を与えます。東大を卒業していながら、毎日のようにパチンコに興じる。自称アーティストで自作のオブジェをゆいにプレゼント。設定からして、言動からして、正真正銘のダメ男です。

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彼のエピソードをご紹介するとネタバレしてしまうので割愛しますが、とにかく錦戸の色気が凄い! というだけでも観る価値があります。ゆい曰く「生きているのに、死んでいる」彼の生き様そのものから、妙な色気を感じずにはいられないのかもしれません。もう何をしても官能的。キスや手繋ぎシーンはもちろんですが、サンドウィッチを頬張るところにも、「パ・チ・ン・コ」という声にまでそそられます。 錦戸といえば、ジャニーズ事務所に所属していた頃は多くの作品に出演し、高い表現力が評価されてきました。今年の5月14日開始の『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK BSプレミアム・BS4K)で、約4年ぶりにテレビドラマに復帰。主人公の亡き父親役を演じており、注目を集めました。本作でも、ブランクを全く感じさせない、錦戸の色気たっぷりな演技が堪能できます。

宮藤官九郎×大石静のオリジナル脚本が秀逸

俳優たちの演技力はもちろんですが、本作はテンポのよい会話劇がとにかく面白い! それもそのはず。宮藤官九郎×大石静という贅沢な組み合わせの共同脚本なのです。1話ずつではなく、数シーンを書くごとに相手に渡す、交換日記のように執筆するという異例の方式で創られました。

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『流星の絆』『ゆとりですがなにか』『あまちゃん』など、コミカルからシリアスまで、緩急よく観る者を引きつける脚本で知られる宮藤氏。そして、『家売るオンナ』『恋する母たち』『和田家の男たち』など、家族と仕事、恋愛を様々な角度から描いてきた大石氏。彼女は来年のNHK大河ドラマ『光る君へ』の脚本を担当することも発表されています。 ふたりはこれまで、それぞれの手法でリアリティある人間の業を、不変的な人間の情愛を描いてきました。本作でもふたりの才が発揮され、共同執筆だからこそのテンポ、台詞、展開で、見応えのあるエンターテイメント作品に仕上がっています。小気味いいセリフのやり取りが繰り広げられているところは、宮藤氏かなとか。男女の情感たっぷりなシーンは、大石氏のターンかな? とか。どちらの担当したセリフやシーンか、考えながら観るのも楽しいです。
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