
夫婦の話し合いについては、センシティブなテーマゆえ、なかなか話が進まず悩むといったことも耳にします。
こうした話し合いには、コツなどはあるのでしょうか。
「女性の中には性の話を真正面からするのが恥ずかしい方もいるかもしれません。でも、言わないと相手も分からないことは多いです。ぜひ、勇気を持って相手に聞いてみてほしいです。
妊活に限って言えば、男性はセックスする日など、ルールを決めたほうができる方も多いです。とはいえ、『月1回、排卵日に』といった決め方は、逆に1回だけというプレッシャーになるので気をつけましょう」
つまり、妊活を意識してセックスに取り組むにしても、ある程度“余裕”をもたせたルールを作ったほうがいいということのようです。
「ルールを決めて強制的に取り組んでほしいものの、排卵日だけといった決め方は避けたほうがいいでしょう。データ上でも、排卵日だけセックスを頑張るカップルよりも、排卵日に関係なく、多くセックスをするカップルのほうが、妊娠率が高いというデータもあります。
また、男性はセックス自体が失敗すると、女性が思っている以上にプライドが傷つきます。男性が『もうしたくない』と思わないような取り組み方に出来るといいかもしれません」
そもそも男性側が避けて話し合い自体が成立しないといったケースには、潮さんは「それは性の問題ではなく、パーソナリティの問題も大きい」と解説します。
「男性が話し合いの場からもし逃げてしまうようなら、『逃げるな!』と、追い詰めるのではなく、丁寧に相手の本音を聞いてみてほしいと思います。
ただこうした話し合いで逃げる人というのは、そもそも普段のコミュニケーションにも逃げクセがある傾向があります。都合が悪いと黙ったり、と自分の殻に閉じこもったりするタイプといいますか……。
こうなってしまうと、問題はセックスではなくコミュニケーションやパーソナリティの問題になります。可能であれば、カウンセリングなど第三者を入れて解決に向かうことをおすすめします」
妊活とレスの問題は、最悪の場合離婚に発展してしまうことも多いといいます。妊活やレスをキッカケに、普段のコミュニケーションの齟齬(そご)が露呈し、噛み合わなくなっていくのだそうです。
そうならないためにも、お互いがお互いをいたわり、問題に向き合っていけることがベストです。
【潮英子(うしお・えいこ)】
セクシュアリティカウンセラー、公認心理師。日本語教師や航空会社勤務を経てお茶の水大学大学院にて夫婦関係を研究。現在はセックスレスや性依存等のセクシュアリティ、夫婦関係、女性のキャリアの悩み相談に携わっている。著書『
女性カウンセラーが教える50代からのhow to SEX』(光文社)、共著『雑談力』(明日香出版社)
<取材・文/おおしまりえ>
おおしまりえ
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:
@utena0518