「毎日何千人もの人にカメラを向けられる」海外でも有名人に
「アメリカでは散歩ビジネスが成り立っていて何十億も出資されたりしているのですが、日本は遅れていますね。犬の仕事をやっていく人たちが増えていけばと思っているのですが……」
人間も一緒に散歩して健康になるので、双方にとってメリットが。今まで何回か表参道で森部さんと遭遇しましたが、いつも満面の笑顔を向けてくださっていました。やはり犬たちと歩いていると自然と笑顔になるのでしようか。

9月下旬にも表参道で偶然森部さんと遭遇。なぜか不思議な虹色の光が映り込んでいたのですが、ポジティブなオーラが視覚化されたのでしょうか……。
「毎日何千人もの人にカメラを向けられるので、どうせ撮られるんであれば喜んでもらいたいな、というのはあります。今もう海外の観光客が戻ってきてるんで。海外の方たちに、日本人の良いイメージを持ってもらいたいと思っています。ちなみに今日もこの後オーストラリアの新聞社の取材が入ってます」
世界各国の人に撮影されている森部さん。海外でもかなり有名人になっているようです。
「中国とかのSNSで僕めちゃくちゃアップされてるみたいですね。でもあくまでも主役は犬なんで。なんでこんなたくさんの犬が仲良くしてるんだって驚かれるんですよね。犬たちは世界世界の老若男女を喜ばせる力があってすごいなと思います」
小型犬から大型犬まで一斉に歩いていますがスピードは同じでもついていけるのでしょうか。
「大きいワンちゃんも小さいワンちゃんもリーダーである僕の速度に合わせています。これはもう自然の本能ですね」
森部さんが犬の群れのリーダーだと認識させるため、初対面の犬にも15分くらい訓練をするそうです。よく、犬を溺愛してなめられたり、人間の方が犬の序列で下になったりする話を聞きますが……。
「優しすぎるのはダメですね。かわいいかわいいっていうのは、本来野性の世界にはないことなんです。犬の名前を呼ぶことも野性ではないじゃないですか。 犬の誕生日のお祝いとかも本来ないので僕はやらないですね」
たしかに野性の動物で誕生日を祝うというのは見たことないです。名前を付けるのも人間の都合です。森部さんは野性に近づくことを目指しているそうです。
「野性ではリーダーと群れの一員というシンプルな関係で。僕は散歩している間はかわいいとも言わないし名前も呼ばないです。でも僕の代わりに、すれ違う人がかわいいって言ってくれます」
散歩している間はプライドを持って犬のリーダーに徹する森部さん。でもときどき、犬たちへの歓声に混じって「お兄さんの方がかわいいよ」とホメてもらうとテンションが上がるそうです。