――演技力やアイデアに優れたネタが続く中、それでもトップ出番のカゲヤマを超える点数は出てきませんでした。サルゴリラがここを超えられた勝因は何だったのでしょう？
＜審査員の方々も、どこかでカゲヤマを超えるコンビを待っていたと思います。お尻のネタでしたし（笑）。サルゴリラが欲された時の期待にドンと応えられたからこそ、あの点数差になったのでしょう。
正直、一位になることに異論はありませんが、あの数字にはビックリしました。ただ、それまで審査員ごとに点数のバラつきがあった中で、唯一の高め平均が出たのがサルゴリラだったんですよね。ネタの造りはごくシンプルですが展開も盛り上がりもあるので、減点法で考えると強いネタだったのかもしれません。
さらにサルゴリラが良かったのはネタのリアリティ。児玉さんの演技力にくわえて、赤羽さんのターンの時の絶妙な表情が効いていました＞
――特に1本目のマジシャンは「こういう空気読めてないマジシャンって本当にいそう」と感じさせられました。
＜細かく見ると、赤羽さんの表情だけでのツッコミやディレクターとして演者に気を遣っている雰囲気が特にリアルでした。凄く上手いですよね。実際にああいう会話って番組収録の中でありそうですし。二本目の魚が多い野球監督については、もう勝ちパターンを理解した上でのネタだったように思います＞
――過去最年長＆最高得点での優勝ということで、芸人界隈では大きな感動を呼んだようですね。
＜SNSでパンサーの向井さんやジャングルポケットの太田さんが泣いている動画が流れて、ちょっと錦鯉がM-1で優勝した時のような空気になっていましたね。それももちろんいいですが、それ以上にネタの面白さに話題が集まるといいですね＞
審査員の想像上の展開が実際のネタよりも面白すぎた?!
――惜しくも優勝には届かなかったファイナリストたちのネタで、印象的だったものを挙げてもらえますか？
＜ジグザグジギーの大喜利市長のネタ、最高でしたね。準決勝を配信で見て、何がなんでも松本さんの前でやって欲しいって本人にも言いました。実際、同じことを他の芸人ばかりかスタッフさんからも言われてたみたいですね。
でも、あれは松本さんが審査員にいなかったとしてもネタとして面白かったです。一発目から説明台詞ナシでお客さんに伝わっていたのが凄いです＞
――しかしながら、山内さんが「期待していた展開にならなかった」とコメントしていましたよね。
＜あのネタはきっと、前半までは審査員が全ネタの中でも一番ワクワクしたと思います。だからこそ、審査員自身の想像の方が、面白さとして上になってしまった可能性もあります。松本さんのチェアマン的な展開のところでピークを迎えてしまったのかもしれないですね。
個人的にめちゃめちゃ好きだったのが、ファイヤーサンダー。ただ、サッカー選手ものまね芸人のネタは受け方に個人差があるネタだったと思います。最初の「小西田」で笑いにならなかったことがとても惜しく、その時点でものまね芸人と伝わればよかったのですが…＞
