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松本人志が重要性を語った「演技力」とコント新時代。キングオブコントではドリフ的笑いに先祖帰りも?!

コント新時代、原始の笑いに帰ってきた?!

――今回の『キングオブコント2023』のポイントは何だったと思いますか? <個人的に感じたのは、「タイトルがつけにくいコントの大会」になったということ。コント新時代と言っていいと思います。蛙亭やゼンモンキーもそうだったんですが、日常や空想の一部を切り取ったような、ひと言で説明するのが難しいコントというのがブームなのかなと感じました。 逆にいえば、どんな題材でもコントがつくれることがわかってきたので、より勝ち抜くのは難しくなっていくでしょうね。銀行強盗やヒーローみたいなわかりやすい題材が古く見える時代になっていくような。 ただ、カゲヤマのお尻や蛙亭のズッコケ、ニッポンの社長の“どんな凶器でも死なない人”など、原始的な笑いに回帰している感も否めない。20年前の芸人なら、きっとこのツカミを選ばなかったと思います。もっとカッコつけてた時代だったから。今、一周まわってボケが原始的になっているのかもしれないです>
――その反面、時代の流れからルッキズムやジェンダーバイアスに厳しくなり、数年前からネタづくりの傾向は大きく変わったようにも感じます。 <多様化って、笑いを作りにくい面もあるんですよね。だからお尻を出したりズッコケたりといった、普遍的な原始の笑いにかえってきたところもあるんじゃないでしょうか。 「こんな変わった奴いないよ」で以前は笑えていたものが、もしかしたらそういう人もいるかもしれない、傷つけるかもしれないから笑えない、になりつつある。 だからこそ「こういう奴がいるかもしれない」を描写した、サルゴリラの凄さや土台の造り込みが大きな笑いにつながったのではないでしょうか> <文/もちづき千代子>
もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama
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