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現在、映画『隣人X -疑惑の彼女-』が公開中の林遣都さん(32)。
多くの人が生きづらさを抱える今、自らの“弱さ”や“痛み”に向き合いながら、役に寄り添い、一体となって表現し続ける俳優・林さんの芝居は、より人々に求められている。そんな林さんが「人を傷つけていいわけなんかない」とメッセージを語った。
ブームとなったドラマ『VIVANT』(TBS)では、大きな悲劇に襲われる、主人公の若き日の父・乃木卓を演じた林さん。壮大で非現実的に映りがちな世界観の中で、視聴者を一気に共感させて大きな話題を集めた。
一方、映画『隣人X』は、地球に“惑星難民X”がやってくるというSF世界を舞台としながら、その実は人間ドラマを描く作品。やはり共感へと誘う林さんの好演が光っている。
「脚本をいただいて蓋を開けてみると、描かれていたのは、ここ数年の世の中の出来事を振り返らせてくれる内容や、今の日本の現代社会で目を向けなければいけない問題が描かれていました」と言う林さん。
そして「人に伝えたいこととか、自分がこう生きていきたいとか。熊澤(尚人)監督の思いが、すごく込められていると感じました。簡単な問題ではないんですけど、こういう世の中になればいいなという願いを感じました。そして自分自身、同じようなことを日々思いながら願いながらここ数年、生きていたんです」と続ける。

林さんは、週刊誌記者の笹憲太郎を演じる。
日本政府は故郷を追われた“惑星難民X”を受け入れるが、人間の姿をコピーして社会に紛れ込んだXが、どこにいるのかわからない社会で、人々は疑心暗鬼になっていく。そんななか、仕事で目が出ず追い詰められている笹は、Xを暴いてスクープを狙うために、Xの疑いのある女性・良子(上野樹里)に近づいていく。
「良子さんは今の世の中に必要な人で、笹にとっては多分、救いだったと思うんですよね」と林さん。笹は、調査対象として近づいた良子に、最初の時から、その“美しい行い”や“佇まい”に、自然と惹かれている。それは、彼自身に、純粋な部分があるからにほかならず、そうした本質を林さんは役に持たせる。
「笹は、仕事も生活もうまくいっていない人です。20代とは違った危機感や不安、焦りといったことを感じ出す年齢でもあり、共感できるポイントがたくさんありました。笹は人に認められたいという思いがすごく強く、その感情はもちろん自分にもあります。職業や環境は全く違いますけど、でも笹が抱いている感情は、理解できないということはありませんでした」。
結果として笹は、傷つけると分かっていながら、良子を傷つけてしまう。それについて林さんは「笹の場合、(施設に入っている)祖母の存在とか、いろいろあって……。誰かのためを思って、自分を犠牲にしなければいけないこととかって、誰しもあると思うんです。すごくたくさんの人に共感してもらえる役なんじゃないかと思います」と語る。
そして笹に共感できればできるほど、その苦しみも深く刺さってくることになる。
ヘアメイク・竹井 温 (&'s management)
スタイリスト・菊池陽之介
©2023 映画「隣人X 疑惑の彼女」製作委員会 ©パリュスあや子/講談社
『隣人X -疑惑の彼女-』は12月1日(金)より新宿ピカデリー 他全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト
https://hanakutashi.com/
制作プロダクション:AMGエンタテインメント
制作協力:アミューズメントメディア総合学院