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俳優・林遣都(32歳)コンプレックスを抑え、自分を肯定できるようになった理由。心の安定剤とする存在も

「だからあんなお芝居ができるんだよ」と言われると嬉しい

林遣都ちなみに、最近勇気づけられた言葉として、北野武さんのそれも大きいとのこと。 「本をいくつか読ませていただいて、直接的な言葉ではないんですが、自分の欠点や欠落した部分を笑いに変えて書かれている感じが伝わってくるんです。そんな人間だから表現できることがあって、そんな人間だから理解できる人の弱い気持ちがあるんだということに、すごく勇気づけられるというか。この話は、『浅草キッド』のときの取材でも結構お話しちゃっているので、申し訳ないんですけど(苦笑)、でも本当に武さんの本や作品には勇気づけられたんですよね」と真摯に話す。 そして「自分も人間関係やコミュニケーションを築くうえで、好きじゃないことや苦手なことがどうしてもあるんですよね。でも“だからあんなお芝居ができるんだよ”と言ってもらえると、すごく嬉しいですし、自分を肯定できるきっかけになるんです」と明かしてくれた。

自分にとって役を演じることは心の安定剤

映画、テレビ、そして舞台にと引っ張りだこの林さんだが、取材の際には「よろしくお願いします」「ありがとうございます」と逐一応じ、丁寧な姿勢を変えることはない。同時に、「取材はやっぱり苦手なんです」と苦笑いする。逆にどんなに辛い役であっても「役を演じているときは楽しい」のだとか。 「ずっと自分というものが分からなくて、自信もある方じゃないですし、でもいつも言っていることなのですが、役をやっているときは普段とは違うコミュニケーションを取れたりする。僕にとって、本当に“心の安定剤”のようになっているんです」。 『隣人X』では、そんな安定剤から生み出されたとはとても思えないような“痛み”を、こちらにも共有させてくれる林さんだが、その笹の“痛み”にこそ、本作の真理があり、そして希望がある。 <取材・文/望月ふみ 撮影/梁瀬玉実>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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©2023 映画「隣人X 疑惑の彼女」製作委員会 ©パリュスあや子/講談社
『隣人X -疑惑の彼女-』は12月1日(金)より新宿ピカデリー 他全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト https://hanakutashi.com/

制作プロダクション:AMGエンタテインメント
制作協力:アミューズメントメディア総合学院
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