一方で、評価の低いベビールームにはどんな特徴があるのでしょうか。
「マイナスな口コミで多いのはやっぱりニオイ・汚れなど、清潔感がないことです。
入口がカーテンになっていて磁石で止めるだけという授乳室も多いのですが、これも上の子がふいに開けてしまったり、隙間があったりして落ち着いて授乳できませんよね。鍵付きの扉になっているとやはり評価は高いようです」
段ボール授乳室炎上に思うこと「寄付自体は責めるべきじゃない」

村石さんは9月に起きた段ボール授乳室の炎上について「寄付自体は責めるべきものではない」と話します。
「段ボール授乳室は震災などの非常時にはとても役に立つと思いますが、確かにこれを常設するとなると、実際のニーズを理解してもらえていないなとは思います。
しかし、寄付自体はありがたいことだし、ユーザーの意見を踏まえてのアップデートを他の施設と同じようにしていけば良いのではないでしょうか。実際にその後、施錠できる扉をつけるなど、ユーザーにマッチさせようとしてくれていると感じます」
またコスト面についても課題があるといいます。
「多くの人が訪れるすべての施設に授乳室が設置されるようになってほしいですが、コスト面で難しい施設もあります。宮城県など、置き型授乳室を設置する企業等への補助金をすでに行っている自治体もありますが、これを国全体として取り組むなど、まだまだ行政がサポートできることがあるはずです」
この騒動の中で「あるだけマシだ」という意見もありましたが、それについても村石さんは一概にそうとも言えない理由があるそう。
「例えば喫煙所の真横を通らないと入れない授乳室に遭遇したことがあります。たとえ授乳室の中の設備がきちんとしていたとしても、これでは使えません。数年前ですが、イスのない授乳室も見たことがあります。これらは完全に“やっつけ仕事”だと思いました」