――通算すると今までの売上はだいたいどれくらいになるのでしょうか。 「15万～20万円にはなっていると思いますよ。ただ、物によっては1000円、100円単位での細かい出品になるので送料の方が高くなることもありますし、手数料のことを考えると、確実に儲かるというものでもないんですよね。 出品には手間もかかります。写真を撮って、掲載してコメントをつけて、売れたらすぐに梱包・発送……けっこうハードなんですよ。『稼ぎたい』という気持ちだけでは、きっと心が折れてしまうと思います」 ――稼ぐこと以外でのモチベーションがなければ難しい、と。 「手間も含めて出品すること自体を楽しめるかどうかが大事ですね。メルカリはある種の趣味ですから、特にシニアは頑張らないことが一番なんですよ。 自分には不要になったものが、欲しいと思う人の手に渡って役に立つ喜び。そこに少しのお金が手に入ると考えれば、あまりプレッシャーにならないと思います」 ――篠井さんが出品するにあたって気を付けていることがあれば教えてください。 「とにかく『丁寧に正直に』をモットーにしています。あまり凝ったことをして、業者が商売をしているように受け取られるのが嫌なんですよ。コメントにも商品についての思い出なんかをひと言添えて、欲が見えないような書き方をしています。 撮影で使うのはスマホだけ。明るめのところでどんな商品なのかがわかるように、単純な手法で撮っています。凝った写真だとプロではないかと疑われてしまうので、敢えて素人らしい撮り方を心掛けていますね」