Entertainment

堂本剛&百田夏菜子の電撃婚が「アイドルの理想形」である理由

結婚をキャリアチェンジとして過去・現在・未来をつなぐスタイル

ふたりの結婚には、彼らのエンターテイナーとしてのキャリアも大事にしつつ、これからの未来も大事にしている印象がある。 世の中には、区切りの段階で、がっかりさせる言動を行う人たちもいるけれど、「立つ鳥跡を濁さず」という言葉のように「家に帰るまでが遠足だ」という言葉のように、余韻(よいん)を大事にしないといけない。その点でもふたりの発表は慎重に考え抜かれたものだと思う。
ENDRECHERI『NARALIEN (Original Edition)』ジェイ・ストーム

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アイドルの結婚というと、これまでのイメージでは、ターニングポイントという印象がある。結婚によって活動の方向転換を図るというような。 例えば、それまで芸能人としてひたすら励んできたが、公的な仕事のみならず、そろそろ私的な幸福も追求したいという考えだったり、これまでと少し違う面を見せたくなったり、その区切りとしての儀式のような面が結婚にはある(これは芸能人に限ったことではなく一般人にも通じることだ)。 堂本と百田の場合、どちらかが引退するわけでもなさそうだ。年齢的に見れば、これからじょじょにアイドルから違う側面にシフトする可能性もあるかもしれないが、そこにあまりネガティブな印象がついてこない。現役アイドル同士の結婚、珍しい、めでたいという祝福ムードが全面に出ている。 一般人にとってアイドル婚は、自身の生活とは月と地球のように遠いものではあるが、結婚をはじめとしたキャリアチェンジという点で考えると、参考にもなる気がする。 つまり、ゼロにリセットするのではなく、自分たちが今までやってきたことを大切にして、過去、現在を未来を確実につなげていく実直な行為とする。ふたりのスタイルは一般人でも見倣(みなら)えそうである。

日本や世界の平和のために歌い続けて

余談ではあるが、この結婚を、堂本剛の出身地・奈良が祝福したそうだ。そういえば、百田夏菜子の主演映画『すくってごらん』(21年)は奈良が舞台であった。 奈良は1300年ほど前、日本が国家としての形を作り始めた時代に都(飛鳥京→藤原京→平城京)となった歴史ある場所。奈良に祝福されたふたり。お幸せに。そして日本や世界の平和のために歌い続けてください。 <文/木俣冬>
木俣冬
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami
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