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県内エリート男子高で“性教育”の名の下セクハラにあった図書館司書46歳女性、教職員カーストで圧された声とは

それは、異様な光景だった。カーテンを締め切った真っ暗な講堂に、制服姿の男子生徒がずらりと整列している。入学したての、高校1年生たちだ。手を後ろ手に組み、喉もつぶれんばかりに校歌を合唱する――。 地方に暮らす、40代独身女性にお話をうかがうシリーズ、2回目はミユキさん(46歳)。
地方40代独身女性202402

北関東で学校図書館司書をしていたミユキさん

生まれは東京で、小学生のとき父の転勤で引っ越してきて以来、北関東の県で進学、就職して現在に至っている。 【第1回】⇒地方企業の暗黙ルール=「男性のカップは女性が洗う」従わず呼び出された40代独身女性の“意外なその後”

伝統を重んじる有名男子校

学校図書館司書として赴任した、男子校で見た光景がいまも忘れられない。 「歴史ある進学校で、親子3代で同校の卒業生、という子も多かったですね」 校長以下、教諭も同校のOBで大半が占められていた。その男女比は、9:1。男子校とはいえ、極端な数字だろう。
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※写真はイメージです(以下、同)

「入学すると“伝統修練”という行事があって、1年生が放課後に集められ、上級生の指導のもと校訓を復唱したり、校歌を歌ったりするんです。上級生がいいというまで何時間も帰れない」 生徒の自主的な活動であって、教諭は関与していない。けれどそれは建前でしかなく、教諭らが「これをくぐり抜けた者しか、わが校の生徒として認めない」と話すのをミユキさんは聞いたことがある。

憧れの職業に就いたけど

「生徒全員が、これに馴染めるわけありませんよね。その後、不登校になる子も多かったです」 ミユキさんの職場である図書室には、そんな生徒も顔を出していた。 「本が好きな生徒や図書委員も来ますが、それ以外は校風になじめない、おとなしめの生徒や、教室でいじられている生徒がよく来てくれました。意外にも、学校って教室以外には居場所があまりないんですよ。彼らにとって図書室は、アジール(聖域)だったのかな」 地方40代独身女性202402ミユキさんは、短大で図書館司書の資格を取った。ときは就職氷河期まっただ中。県職員として、希望どおり司書の仕事に就けたのはラッキーだったとも思う。図書室を訪れる生徒との交流には、やり甲斐も感じていた。それなのに、 「セクハラに遭い、この高校を辞めることになったんです」 それは、生徒が自主的にテーマを決めて研究する自由学習の時間に起きた。
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自分の職場で「いないこと」にされた
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