アジア人差別と批判殺到!アカデミー賞の“無視”騒動がアメリカ衰退をあらわしているワケ
デキの悪い白人の子どもの親世代を皮肉った歌詞も

2011年、『トイ・ストーリー3』でアカデミー作曲賞を受賞したときのランディ・ニューマン
今回の出来事は余裕がないアメリカの衰退のあらわれ
ロバート・ダウニー・Jrとエマ・ストーンの振る舞いも、こうしたレンズを通すとまた見え方が違ってくるのではないでしょうか。
確かに非礼であり、抗議の声をあげるべき出来事です。
しかしながら、同時に公の場で綺麗事や格好をつける余裕すらなくなったアメリカの衰退のあらわれだと見れば、象徴的な光景だと教訓にすることもできます。
自らのアドバンテージであるはずのソフトパワーに傷をつけてしまった。第96回アカデミー賞は、ひとつの歴史の転換点として記憶されることになるのでしょう。
<文/石黒隆之>石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4


