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憧れのマイホームで受難!不気味な隣家から向けられる光…ご近所トラブルがあぶりした家族の闇とは<漫画>

実害はないとはいえ、気持ちが悪い

夫の冬樹に相談するも、のらりくらりとかわされるだけ。光をあてられるだけなので実害はなく、警察も取り合ってくれません。とはいえ毎日チカチカが繰り返されて、春奈は悶々とするばかり。ついに友人ふたりを自宅に呼び、チカチカを検証してもらうのです。 お隣の2階には、いわゆる引きこもりの息子がいるという情報をキャッチ。チカチカを原因に、何人かの住民が引っ越していった事実も突き止めました。春奈も引っ越しを考慮したものの、夫・冬樹はもちろん大反対です。 やがて春奈は、チカチカにはある法則があることに気がつきます。チカチカに隠されたメッセージはなんなのか。物語は一気に闇へと突入。それは単なる嫌がらせやご近所トラブルを超えた、人間関係の闇と、人の心に潜む闇でした。

人はこわい、でも捨てたものでもない

読んでいる最中、「これは本当にリアルにあった出来事なのか?」と頭を抱えそうになります。世の中の怖さを知ると同時に、まだ捨てたものじゃない人とのつながりも感じます。なんとも不思議で、つい目をそむけたくなる物語ですが、読み終えたあとはなぜか泣けてくるのです。 気にしなければいい。なかったことにすればいい。そんな小さなモヤモヤを、日々抱えて生きている私達。でも春奈は、心に芽生えたモヤモヤから逃げずに、正面きって奮闘しました。そんな春奈に、私は最大級のエールを送りたいのです。なぜなら、今作に登場するさまざまな闇も光も、私達のすぐ隣で起こっているからです。 私達もいつ、春奈と同じ体験をするかわかりません。人生の一寸先は闇、でも光があるからこそ闇もできるのです。何があっても、顔を上げて果敢に生きていかなくてはならない。作者が伝えたかった本当のメッセージは、生きていく怖さではなく、生きていく強さではないでしょうか。一読すれば、あなたもきっと勇気がわいてくるはずです。 <文/森美樹>
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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