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30歳俳優の怒りの演技に衝撃。“父親”光石研との掛け合いが挑戦的だと言えるワケ

怒りの人を演じること

 第1話を見ていると、感情がむき出しになるのは、大抵が光石との場面であることがわかる。海斗は智信のことを理事長の席にしがみつく権力者だと思っている。自分を利用してまで権力にしがみつくなと。  智信が病に倒れ、新プロジェクトの責任者として海斗を呼び戻そうとするが、断固拒絶する。理事長室だろうと、父が目を覚ました病室だろうと、構わずに怒りをぶつける。  でも智信は、幼少の頃に大病を抱えていた息子を一心に思っているだけなのだ。それが海斗には伝わらない。すれ違う。またしても切ないお父さん役……。「怒鳴れるぐらい大きくなった」と笑ってみせる智信の嬉しそうな表情がもうね。  思えば、光石も昔は『Helpless』(1996年)など、破天荒なやくざ者の役で怒りの暴力をあたり構わず撒き散らしていた。赤楚は怒りの人を演じることを光石から引き継いでいるともいえる。  この父子のすれ違いには光石へのリスペクトという回答が込められているのかなと筆者は思ったりする。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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