いまだに人前に出るのは苦手だし、ポジティブな人に憧れる

――白洲さんは、以前はどちらかというとネガティブ思考に偏りがちで、ポジティブな状態でいられる人に憧れるとお話されていました。
白洲「今もそうです。人前に出るのもいまだに苦手ですし、ポジティブな状態でいられる人には、憧れるし、ずるいと思ってしまうくらいです。ただ、自分ももう30歳を超えましたし、ネガティブでいることも、ある意味原動力になっているのかなと思うようになりました」
――みなさん、満足しちゃダメだとおっしゃいますし。
白洲「先輩方もおっしゃいますよね。俳優って、どうやらそういう仕事みたいなんです。一生満足できない(苦笑)。それってしんどくない?とも思いますが、もうそういうものなんだなと。“この芝居、もっとできたのに”とか思ってしまったとしても、そうした気持ちが、“次、より頑張ろう”と思うための原動力になるんだと、自分の中で消化させられるようになってきた。
20代のときは、ただ落ち込んで、“どうしたらいいんだ”とお手上げになっていた時期もありました。でも自分には自分の良さとか、表現の仕方があるのかなと。どちらかと言うと、赤ではなく静かに燃える青い炎なのかなとも思えるようになりました」

――青い炎のほうが高温だそうですし。
白洲「赤々と燃えるような炎の表現もできたらいいなとは思いますけどね。ちょっと前までは、というか、今もまだですけど、いろんなことに羨(うらや)ましがっていました。でももっと広い視野に立って、フラストレーションを感じることがあったとしても、それすらも、何でも受容して自分の表現に変えていけたらと。実際、そうできている人が、長く活躍されている先輩方には多い気がします。
何かに挑戦するときも、“それじゃできないよ”じゃなくて、“とりあえずやってみるか”という心構えで。それで間違っていたとしても、やったことによって、また違った表現が生まれるかもしれないですし」
俳優業にハマっているかは分からないけど、ただ“演じる”ことが好き
――『テニミュ』でデビューした当時、俳優業にこれほどハマると思っていましたか?
白洲「全く思っていませんでした」
――今は、ハマっていると実感していますか?
白洲「正直、自分としてはあまり思わないんです。でも、さっき僕が話している姿を“嬉しそう”と言ってくれましたよね。それを聞いても“ああ、好きなんだろうな”と思います。
いま稽古場ですごく熱い、贅沢な時間を過ごしていますが、知らぬ間に喜々として心が動いている。ということは、自分では分からないけれど、ちゃんと好きになれているんだな、ハマれてるんだなって。それに俳優業というか、お芝居をすることは、とても好きなんです。ただコンプレックスがあって」

――コンプレックス、ですか?
白洲「例えば、何か映画や舞台を観て感動してとか、昔からドラマがすごく好きでといったきっかけを持つ人が、当たり前ですけど多い業界ですよね。そのなかで、僕はそういった始まりではないし、いまだにみなさんのように作品に対してすごく興味を持てているかと言われたらそうじゃないんです。
じゃあ、なんでこんなに続けられているんだろうと考えると、やっぱり“演じる”ということが、ただ単に好きでやってるんだなって。そう思っています」

<取材・文・撮影/望月ふみ ヘアメイク/松田陵(Y’s C) スタイリスト/持田洋輔>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi