
「K也くんから『ずっと奈津美さんの方が好きでした。M美とは別れるから僕と付き合って欲しい』と告白されて驚きました…M美に申し訳ない気持ちと、正直ちょっとワクワクしてる気持ちが交互に襲ってきました」
しばらく悩み、結局お付き合いをする事を決めた2人はM美さんに報告しに行きました。
「M美は泣いて暴れて、土下座するK也くんをガンガン蹴り『汚らわしい最低女、2度と私の目の前に現れるな』と言って私の顔に唾を吐いて…ひどい修羅場でしたね」
そんな昼ドラのようなシチュエーションでお付き合いが始まった2人はとても燃え上がり、1ヶ月が経ちました。
「そしたら急にK也くんから『ごめん、M美とヨリを戻したから別れて欲しい』と言われて頭が真っ白になりました。私は妹を裏切って、両親からあきれられてまでK也くんと付き合いだしたのに、と憎しみでおかしくなりそうでしたね」
奈津美さんがゴネればゴネる程、引いてしまい再びM美さんと付き合いだしたK也さん。
「そしたらM美とK也くんが、『実は奈津美がK也くんに無理やり迫って、責任を取れと脅されて仕方なく付き合わされた』と私が悪者になっているエピソードをでっち上げて、その嘘をうちの両親も信じてしまって」

両親、妹と気まずくなり実家にも帰れなくなってしまい、恋人も失った奈津美さんは、かなり落ち込んでしまい不眠症になってしまいました。
「眠れないので、昼間仕事をしていてもミスを連発してしまい怒られて、また落ち込んで…完全に負のループに入ってしまった状態でした」
そしてすがる思いで病院に行き、安定剤を飲みだすと少しずつ回復していったそう。
「その後結局、N美とK也くんは1年ももたず別れて…私のところに『あの男は最低だった、私の知り合い何人もと浮気しまくっていたんだよ』と連絡がきて、あぁ~と思いました」
一瞬、妹と和解出来たかと思いましたが、やはりそう簡単に心のしこりは無くならないようで…。
「今だに両親と妹とは直接会えていませんが、定期的にLINEで連絡を取るようにしています。いつか私のした事を許してもらえて、以前のような関係に戻れたらいいなと願っています」
<文&イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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