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紅白出場メンバーに賛否!「聞いたこともないアーティスト」が数多くいる理由

◯◯億再生回数という数字の実体のなさが表すもの

 そう考えると、選出の根拠としている再生回数やダウンロード数の中に、本当に“聴きたい”と思っている人の割合がどれだけいるのか。それがSNSの時代ではとても計りにくくなっているのではないかと思うのです。 推し活 加えてCDやDVDなどのフィジカルの売上すら、いまや“推し活”の名のもとに、どれだけファンがいるかを示す指標程度の意味合いしか持たなくなってしまいました。  つまり、ファンとアーティストの関係で成り立つビジネスはあっても、その間に有用な部外者としての“客”が入り込む余地がなくなってしまった。それが、◯◯億再生回数という数字の実体のなさを表しているのだと思います。

本当に終わっているのは紅白歌合戦なのか?

 そんな中で、国民的な音楽番組としての紅白歌合戦を構成するのは、年々困難になってきていると想像します。 “もう紅白も終わりだろう”という声がますます高まっています。  ですが、果たして本当に終わっているのは紅白歌合戦なのでしょうか?  そんな問題を投げかける、今年の紅白歌手決定でした。 <文/石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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