小泉今日子&中井貴一が歌う月9エンディング、ドラマタイアップ曲の売上不振が招いた「逆の奇跡」とは
放送スタートから話題を呼んでいる『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ)。視聴率、内容ともに好評を博しています。
このドラマに華を添えるのが、エンドロールで流れる主演の小泉今日子と中井貴一が歌う「ダンスに間に合う」。これが近年のドラマ音楽の中でも出色の出来なのです。
オリジナルは、09年に多摩美大の学生を中心に結成された8人組ソウル・ファンクバンドの曲。決して知名度が高くないアーティストの楽曲が月9に流れるのもレアケースです。
というわけで、なぜ「ダンスに間に合う」がドラマにドハマリしたのか、理由を考えます。
『続・続・最後から二番目の恋』を支えているのは、何と言っても小泉今日子と中井貴一による、自然な語り口です。ほぼ演技感ゼロで、最近のドラマにありがちな、バズる決めフレーズをかましてやろうという下心が全くありません。
語弊(ごへい)があるかもしれませんが、劇中のセリフなのにまるで楽屋トークでも聞いているような感じなのです。
二人の役柄を鑑賞しているのではなく、小泉今日子、中井貴一という人物と同じ空間を共有しているような錯覚を起こすわけです。そこに視聴者も参加しているような臨場感が生まれる。
しかし、それは気持ちを高ぶらせるものではなく、腰を据えた落ち着きとしての静かな生々しさです。これがドラマ全体のトーンを決定づけています。
そして、「ダンスに間に合う」は、この演出の意図を汲んだ、素晴しいエンディングテーマとして機能しています。
まず、二人の自然な語り口が、そのまま移植されているのが奇跡的です。確かに歌であり、メロディなのだけれども、良い意味で音楽におもねっていないので、言葉が鮮明に伝わってきます。
劇と音楽が同じトーンであることが、ドラマに統一感を生んでいる。この曲を歌うことに、明確な意図があると伝わってくるからです。
曲調も明るいミディアムテンポで、次週のストーリーへの期待を高めます。
リズムも跳ねすぎず、かといって平板でもなく絶妙な塩梅(あんばい)です。過度に盛り上がりもしなければ、かといって、悟りを開いたように落ち着き払うのでもない。大人がポジティブであることを理想的な形で体現した音楽だと言えるのではないでしょうか。
小泉今日子、中井貴一と同じ空間を共有しているような臨場感
二人の自然な語り口そのまま、鮮明に伝わる
1
2
![]() |
Amazonで予約受付中!『続・続・最後から二番目の恋』 小泉今日子、中井貴一、坂口憲二、内田有紀、飯島直子ら ファンキーなメンバーが帰ってきた! 古都・鎌倉を舞台に繰り広げられる、 笑って泣ける“大人の青春”ドラマ最新作が小説でも楽しめる!! フジテレビ系木曜10時ドラマを完全ノベライズ! ![]() |