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「朝ドラ」歴代ワースト視聴率で不評の26歳人気女優 “変人天才医師”役がハマったワケ

ぴったりすぎる天久鷹央役で見せた演技力

橋本が演じる天久鷹央は、単に“ちょっと変わっている”というレベルではなく、かなりの変わり者です。「驚異の知能を誇る診断医」として、各科で“診断困難”とされた症例の原因を次々に突き止めていきます。 加えて、医師としての視点を活かしながら、さまざまな事件を解決していくというストーリーが展開されます。超人的な頭脳と、圧倒的な知識・洞察力を持つ一方で、鷹央は自閉スペクトラム症を抱えており、人の感情をうまく読み取ることができません。加えて、歯に衣着せぬ物言いと高慢とも取れる発言で、周囲との軋轢が絶えません。 その一方で、運動神経が鈍く、何もないところで転んでしまったり、スキップすらうまくできなかったりと、どこか抜けたコミカルな一面も持ち合わせています。 一歩間違えれば「感じの悪い天才」として敬遠されかねないキャラクターですが、橋本の小柄で愛らしい外見と独特のユーモア感覚が、この難役に人間味と親しみを与え、結果として非常に魅力的な人物像に仕上げています。

コミカルの中で魅せた繊細な演技と揺れ動く葛藤

基本的にはハチャメチャな主人公によるコミカルな展開が続く本作ですが、第5話では、橋本の繊細な演技がひときわ際立っていました。この回では、入院中の8歳の白血病患者・三木健太(石塚陸翔)との友情が描かれます。
健太の余命がわずかであるという現実と向き合えずにいる鷹央が、医師としての責務と友情の間で揺れ動く葛藤を、橋本は見事に演じ切りました。彼女の流した涙に、思わずもらい泣きした視聴者も多かったのではないでしょうか。 橋本環奈は、決して表現力に乏しい女優ではありません。ただ、その小柄な体格と圧倒的な存在感ゆえに、市井の人を演じるときには、どうしても説得力が薄れてしまうことがあります。だからこそ、彼女にしか演じられないキャラクターが存在し、その個性を活かすことで、作品に独特の活力を与えているのです。 ========== 朝ドラで主演を務めた後は、イメージが定着することを避けるため、しばらくドラマ出演を控える女優も少なくありません。しかし橋本の場合は、すぐにまったく異なる「ハマり役」を演じたことが功を奏したように思えます。筆者としては、『天久鷹央の推理カルテ』のシリーズ化を期待せずにはいられないほど、本作を楽しんでいます。 <文/鈴木まこと> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
鈴木まこと
日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:@makoto12130201
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