町土の94%が森林…山形県小国町「本物の森林セラピー」に癒される
天気や季節で表情が変わる
温身平の魅力は、何度訪れても毎回違う表情を見ることができると言います。
佐野さんは「晴れの日は、木漏れ日のなかゆっくりとお昼寝をするのが私の好きな過ごし方です。そして、雨の日こそ森歩きをおすすめしたいです。雨の日でないと見られない景色はたくさんあります。ブナの幹を流れる樹幹流だったり、森の緑も雨水でいきいきと見えたり、晴れ間が出るとブナの幹がきらきら光って輝いて見えたり、雨の音以外は聞こえずとても静かだったり。雨の日は、マイナスイオンに包まれてとても気持ちがいいです」と教えてくれました。
アウトドアで天気が悪いとつい落ち込んでしまいますが、雨だからこそ見られる景色はむしろラッキーなのかもしれません。
森のパワーを通じて多様な人的交流を
最後に、自然豊かな小国町の魅力について聞きました。
「生まれ育った小国町は、帰省するとほっとする場所ではありました。都会暮らしを20年以上してUターンで戻ってからは、小国の自然が持つ力に圧倒されています。森に入る前と後では、お客様の表情が違って見えます。
特別なことをするわけではないけど、データにもあるように、温身平の森の癒しのパワーだと私は思っています。森林セラピーアテンダントや日常の業務で幅広い年代の方と交流することでさらに小国の良さを感じるようになりました。
そういった言葉では表現できない感覚的なものを通じて、都会に住んでいる人と小国の人の交流が盛んになり小国町を好きな人が増えていけば、一層楽しく過ごせる場所になるのではないかと思っています」
小国町は、地元の人も魅力的な方が多いそうです。温身平のトレッキングは森林セラピーアテンダントによる案内を通じて、地域の方との交流も楽しんでみてはいかがでしょうか。
温身平セラピーロードのオープンは、冬季・残雪期間を除く6月から10月までの期間限定。四季ごとで変化する自然の魅力を生で感じ、お気に入りの景色をぜひ見つけてください。
<取材・文/欠端彩乃>欠端彩乃
岩手県盛岡市出身。山形県の大学で民俗学を専攻し、同県小国町地域おこし協力隊となり、町の歴史民俗資料館の立ち上げに取り組む。地域に息づく文化やそれらの人びとの思いに関心をもち、地域を超え次の世代へ受け継げたらと、発信している
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