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「元AV女優が着たドレスなんて最悪」“ウェディングドレス騒動”が波紋を呼んだ本当の理由。結局、悪いのは誰なのか

 元セクシー女優で現在はタレントとして活動する三上悠亜(みかみゆあ)が、あるブライダル撮影専門店オリジナルのウェディングドレスを着て7月27日にボートレースのイベントに出演。イベントの報告とともに、そのドレス姿を自身のインスタグラムに投稿した。このウェディングドレスがきっかけとなり、現在大きな反響を呼んでいる。
 同じドレスを結婚式後の“後撮り”で着用予定だったというXユーザーが、三上の投稿を見て、「最悪」「AV女優にドレスを貸すと知っていたら契約しなかった」という趣旨の内容をポストした。このポストには注目が集まり、三上が炎上することになったが、改めて今回の騒動が起きた背景を考察したい。

何かと批判されやすいセクシー女優

 Xユーザーが落胆した背景として、現役かどうかはさておき、「自分が着る予定だったウェディングドレスを、セクシー女優に着られたこと」が挙げられる。もしこれがセクシー女優でなければ、Xユーザーも取り乱すことはなかった可能性が高い。  とはいえ、それはセクシー女優に対する職業差別と言えるのではないか。これまでセクシー女優が何かをする度に批判されたケースは枚挙にいとまがない。今回の騒動の渦中にいる三上は2023年10月、台湾プロ野球の始球式に登場した際、子どもも来場している野球場にセクシー女優が姿を現すことに苦言を呈す声が相次いだ。
 さらには、過去に女性誌で「セクシー女優が性の悩みに答える」という企画が組まれたことに対して、「セクシー女優は性の専門家ではない」という理由で眉をひそめる人も多かった。批判の声にさらされやすいセクシー女優ではあるが、その背景には「汚らわしい」「不純」といった、世間の根強いネガティブイメージがある。  ただ、安易なレッテル貼りや、何をしても攻撃するような態度は、もはや差別に等しい。三上は今回の騒動を受け、28日に自身のインスタグラムのストーリーズで「今元だからとか現役だからとか、そう言うのは関係なく、こうして言われるのも覚悟の上でやってきました」と語り、“やむなし”という印象を受けるが、どこかモヤモヤ感が残る。

Xユーザーが悲しむ気持ちもわかる

 三上をはじめ、批判の目にさらされやすいセクシー女優を気の毒には思う。ただ、今回のXユーザーの気持ちもわからないではない。ウェディングドレスは人生で何度も着るものではない。「一生に一度しか着ないものだから」とお気に入りのウェディングドレスを、空いている時間をフル活用して血眼になって探す人も少なくない。そして、せっかく見つけたウェディングドレスを、赤の他人がSNSに堂々とアップしていたのなら気分は良くない。  なにより、結婚といえば「ヴァージンロード」という和製英語がいまだに使われている通り、純潔・神聖といったイメージが根強い。それこそ職業差別につながりかねないが、セクシー女優は決して純潔・神聖なイメージの職業とは言えない。加えて、ドレスを着た三上が階段で座っている写真もあり、白いドレスで椅子ではなく床に座るというポーズも、あまり心象の良いものではない。この階段が舐めても平気なほど清潔だったとしても、実際に着る予定の人からすれば「汚れがつかないか?」と不安を抱いてしまう。
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セクシー女優関連の騒動は、女優個人の暴走ではない
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