
つきあっている男女の場合も一緒で、どんなことでもいいから「定番」をつくりましょう。「土曜の夜十時」の定番電話でもいいし、会ってから三十分は、決してネガティブな話をしないという習慣でもいい。
女性は気にかかることがあると、会った瞬間に、不平不満をぶつけることもよくあることですが、あるときは機嫌がよくて、あるときは機嫌が悪いなど、気分が一定でないのは男性にはストレスです。
だから、どんなときも「いらっしゃい」と笑顔で出迎えてくれる小料理屋のおかみやクラブのママが「定番」になるのです。
結婚していなくても、仕事や出張から彼が帰ってきたら「お帰りなさい」と言うのもいいですね。「毎日、君の“お帰り”が聞きたいから一緒に暮らそう」なんて展開になるかも……。
定番に安心しながら“ギャップで発情”するのが男性脳

一つ、注意したいのは、グチを言わないこと。
なぜなら、常に問題解決を旨とする脳神経回路を優先しているので、自分が解決できないことを延々と言われると、女性の想像をはるかに超えたストレスになるからです。熟年の夫婦で「膝が痛い」と奥さんが言い続けていると、ご主人がうつ病になるというデータもあります。原点である女性のグチは、男性の健康も損ねます。
具体的な要求が多いのはOKですが、解決できないもやもやを延々と吐き出すことは、男性脳を痛めつけます。
もしグチを言いたいなら、友達に聞いてもらいましょうね。
ちなみに、女性は排卵日になると、ホルモンの影響でイライラすることがあると思います。女性ホルモンのエストロゲンの分泌が高まっているこの時期は、とくに自分が発情している相手に絡まずにはいられなくなるのです。
ただ、このときは、どうぞ思いっきり絡んでください。男性脳は、定番に安心しながら、ギャップで発情するというクセがありますから。
いつも安定した情緒の彼女が、たま~にキレるのも、いい刺激。ですから、この辺りは自然体で大丈夫です。ステキな愛情ライフを手にしてくださいね。
<文/黒川伊保子>
黒川伊保子
(株)感性リサーチ代表取締役社長。1959年生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に従事、2003年現職。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』がベストセラーに。近著に『
息子のトリセツ』『
母のトリセツ』