43歳2児の母・キンタロー。が明かす“本当に苦手なこと”「このクセはいかんなと……」
世界中で記録的大ヒットの『リロ&スティッチ』のディズニーが贈る最新実写映画、『シャッフル・フライデー』が現在公開中です。
ある日突然家族4人&3世代の身体が入れ替わってしまう物語で、シャッフルして初めて気づく互いのきずななど観た人それぞれの感涙ポイントにも注目の一作。
その『シャッフル・フライデー』ジャパンプレミアに、本作を応援する特別ゲストとしてお笑い芸人のキンタロー。さん(43歳)が出席。自身も40代で2児の母として、同世代であこがれのリンジー・ローハン演じる母アンナに共感しまくりだったとか。ご本人にお話を聞きました。
――実は本作『シャッフル・フライデー』は、2003年全米公開の『フォーチュン・クッキー』の続編なのですが、前作はご存じでしたか?
キンタロー。:もちろんです! わたしはドンピシャ世代なんです。前作当時のリンジー・ローハンはティーンエイジャーの大スターで、友だちとの会話でもリンジーの名前がよく出てくるくらい、パリス・ヒルトンやブリトニー・スピアーズに並ぶスーパースター。今日のハリウッドセレブ風の衣装も、リンジーを意識したものになっています(笑)。
――映画をご覧になっていかがでしたか?
キンタロー。:めっちゃ面白くて心の底から笑いましたし、涙を流して共感するシーンも多かったです。女性の監督で主要キャスト4人とも女性なので、全部のキャラクターに共感しかなくて。かつては破天荒だったリンジー演じる娘のアンナが今や子育てに奮闘する母になっているので、母親として共感しましたし、おばあちゃんになったテス(ジェイミー・リー・カーティス)は身体が重いとか、その親子関係にも共感しっぱなしでした。
――コメディとして単に面白いことだけじゃなく、三世代が直面するリアルな悩みもしっかり描かれていましたよね。
キンタロー。:そうなんですよ。もちろん、入れ替わったことによるカオスなドタバタも面白いのですが、わたしたちが生きていく中での“あるある”も多くて。誰とも共有しきれていない自分の深い部分のモヤモヤが、映画の中に女性のあるあるとして出てくるから、「あ! やっぱりみんなもそうなんだ!」って安心したり、すっきりもするじゃないですか。
――彼女たちを取り巻く(理解ある)男性陣についてはいかがでしたか?
キンタロー。:アンナと恋に落ちるイケメンのエリック(マニー・ジャシント)は、女性のとんでもない理想をすべてつめこんだような男だと思いました。素敵すぎるので「やめて! 出さないで!」と思った(笑)。もう完璧すぎて、愛が深すぎて、こんな人を見せつけられたら理想が高くなるんだよって、思わず旦那を思い浮かべてしまいました(笑)。
――女性監督(ニーシャ・ガナトラ)ならではの視点で、女性の理想が投影されているのかもしれませんね。
キンタロー。:彼はまっすぐな愛で人の気持ちを溶かしていくんですよ。女性陣はシャッフルすることで相手の気持ちにようやく気づくのですが、エリックに関しては、そのままの素直な気持ちで、周りの人たちをの気持ちを変えていくほどの深い愛。「こんな人いない!」って、理想の男性すぎて、そこだけは共感しませんでした(笑)。
――キンタロー。さんご自身もこれまでの人生で相手の立場になって初めて気づいたようなことはありましたか?
キンタロー。:ありますね。日常の中で娘に発言している自分を一歩引いて見たときに、「これは昔お母さんが私に言っていたことだ」と気づくんです。当時は口うるさいなと思っていたけど、今は自分がついつい娘に言ってしまうんですよ。娘を思って言ってくれていたということが、当時はわからなかった。うるさくて、がんじがらめで、なんでこんなに縛りつけるんだと思っていました。
――人の親になって初めて親の気持ちを知るっていいますからね。
キンタロー。:そうですね。自分が母親になったら心配でついつい言っちゃうというか。その人の立場になってみないとなかなか深く入ってこないものがあるなと思いました。コミュニケーションの学びとして相手の気持ちになるということは、とても重要なことだと思いました。
――母であり、お笑い芸人であり、日々多忙かと思いますが、いま人生で一番大切にしていることは何ですか?
キンタロー。:以前おみくじを引いたときにわたしに必要な言葉が「調和」だったんです。なるほどわたしピン芸人だし、社交ダンスでコンビを組んだこともありましたが、コンビやチームを組むことが本当に苦手で、課題なんです。人と一緒に行動することを課題として持っていたときに、今回の映画を観て反省しました。勝手に相手のことを「こういう人」と決めつけて嫌いになっていたところがあったと気づいたんです。
――まさにこの映画に登場する高校生の子どもたちが直面している状況そのものですね。
キンタロー。:「この人はこういう人」というレッテルを貼って、自分のシャッターを閉めてしまうことがあるんです。でも、相手の立場になることで初めて見えてくることがあるわけで、相手のことを決めつけるクセはいかんなと。わたしに足りないのは、コミュニケーション力、人と人との摩擦や、それこそ「調和」する力なんですよね。
――つまるところどう人間関係を構築していくべきか、ということ。
キンタロー。:仕事が嫌になるのも人間関係だし、すべてにおいて大切なことですよね。エラーが起きるのも人間関係だし、自分に足りないものをこの映画を通して気づかされた。かといって、それがすぐできるわけではないけれど、自分の理想に辿り着くところを見せつけられたし、あるあるも観ましたし、反省もしました。人間関係に悩んでいる人も、違う見え方ができると思う。コミュニケーションに悩んでいる人に観てほしい映画ですね。
――今日は冒頭でテスおばあちゃんの話題も出ましたが、40代になって思うことはありますか?
キンタロー。:そうですね。40代、50代は女性ホルモンのバランスも変わってくると思うので、昔はイライラしなかったことにもイライラするようになったように思います。これはまずいと思って「命の母」を飲んだりもするけれど、やっぱり昔のようにいかないことも増えてきた。そこにどう向き合うかどうかも課題ですよね。先輩芸人の大久保佳代子さん、いとうあさこさんがちょうど10歳くらい上なんですけど、先を行っているおふたりが10年前によく言っていたことが、わかるようになってきた。
だから今の大久保さん、いとうさんが発信していることを、わたしも10年後思うのかなとか、昔は他人ごとだったことも年齢を重ねると共感できるんですよね。とにかく女性はもともと繊細なのに、それにプラスしてホルモンバランスでメンタルも持っていかれたりするので、たとえばいかに自分自身でご機嫌を取れるかが今後課題になってくると思う。
でも自分自身の取扱い説明書は、年を重ねてだんだんわかってきているはず。自分で自分のご機嫌を取ることが大事かなと思っています。
――ちなみに今日はどのようにご機嫌を?
キンタロー。:この後、何食べようかなって(笑)。ちょうどハリウッドセレブをイメージした恰好をしているので、セレブな気分で今日は一日を終えたい。もともと海外志向があって、海外に強い憧れがあるんですよ。ちょうどここ豊洲にババ・ガンプ・シュリンプというお店があって、映画『フォレスト・ガンプ』に出てきたお店だと思って。
今日はこのまま海外セレブとして気分よく一日を終えたいし、それがいい方法だと思ったので、この後、家族と行って自分のご機嫌を取ります(笑)。

<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
全部のキャラクターに「共感しかなかった」
――実は本作『シャッフル・フライデー』は、2003年全米公開の『フォーチュン・クッキー』の続編なのですが、前作はご存じでしたか?
キンタロー。:もちろんです! わたしはドンピシャ世代なんです。前作当時のリンジー・ローハンはティーンエイジャーの大スターで、友だちとの会話でもリンジーの名前がよく出てくるくらい、パリス・ヒルトンやブリトニー・スピアーズに並ぶスーパースター。今日のハリウッドセレブ風の衣装も、リンジーを意識したものになっています(笑)。
――映画をご覧になっていかがでしたか?
キンタロー。:めっちゃ面白くて心の底から笑いましたし、涙を流して共感するシーンも多かったです。女性の監督で主要キャスト4人とも女性なので、全部のキャラクターに共感しかなくて。かつては破天荒だったリンジー演じる娘のアンナが今や子育てに奮闘する母になっているので、母親として共感しましたし、おばあちゃんになったテス(ジェイミー・リー・カーティス)は身体が重いとか、その親子関係にも共感しっぱなしでした。
――コメディとして単に面白いことだけじゃなく、三世代が直面するリアルな悩みもしっかり描かれていましたよね。
キンタロー。:そうなんですよ。もちろん、入れ替わったことによるカオスなドタバタも面白いのですが、わたしたちが生きていく中での“あるある”も多くて。誰とも共有しきれていない自分の深い部分のモヤモヤが、映画の中に女性のあるあるとして出てくるから、「あ! やっぱりみんなもそうなんだ!」って安心したり、すっきりもするじゃないですか。
素敵すぎて「やめて! 出さないで」と
――彼女たちを取り巻く(理解ある)男性陣についてはいかがでしたか?
キンタロー。:アンナと恋に落ちるイケメンのエリック(マニー・ジャシント)は、女性のとんでもない理想をすべてつめこんだような男だと思いました。素敵すぎるので「やめて! 出さないで!」と思った(笑)。もう完璧すぎて、愛が深すぎて、こんな人を見せつけられたら理想が高くなるんだよって、思わず旦那を思い浮かべてしまいました(笑)。
――女性監督(ニーシャ・ガナトラ)ならではの視点で、女性の理想が投影されているのかもしれませんね。
キンタロー。:彼はまっすぐな愛で人の気持ちを溶かしていくんですよ。女性陣はシャッフルすることで相手の気持ちにようやく気づくのですが、エリックに関しては、そのままの素直な気持ちで、周りの人たちをの気持ちを変えていくほどの深い愛。「こんな人いない!」って、理想の男性すぎて、そこだけは共感しませんでした(笑)。
母親になって初めて気が付いたこと
――キンタロー。さんご自身もこれまでの人生で相手の立場になって初めて気づいたようなことはありましたか?
キンタロー。:ありますね。日常の中で娘に発言している自分を一歩引いて見たときに、「これは昔お母さんが私に言っていたことだ」と気づくんです。当時は口うるさいなと思っていたけど、今は自分がついつい娘に言ってしまうんですよ。娘を思って言ってくれていたということが、当時はわからなかった。うるさくて、がんじがらめで、なんでこんなに縛りつけるんだと思っていました。
――人の親になって初めて親の気持ちを知るっていいますからね。
キンタロー。:そうですね。自分が母親になったら心配でついつい言っちゃうというか。その人の立場になってみないとなかなか深く入ってこないものがあるなと思いました。コミュニケーションの学びとして相手の気持ちになるということは、とても重要なことだと思いました。
本当に苦手だった「調和すること」
――母であり、お笑い芸人であり、日々多忙かと思いますが、いま人生で一番大切にしていることは何ですか?
キンタロー。:以前おみくじを引いたときにわたしに必要な言葉が「調和」だったんです。なるほどわたしピン芸人だし、社交ダンスでコンビを組んだこともありましたが、コンビやチームを組むことが本当に苦手で、課題なんです。人と一緒に行動することを課題として持っていたときに、今回の映画を観て反省しました。勝手に相手のことを「こういう人」と決めつけて嫌いになっていたところがあったと気づいたんです。
――まさにこの映画に登場する高校生の子どもたちが直面している状況そのものですね。
キンタロー。:「この人はこういう人」というレッテルを貼って、自分のシャッターを閉めてしまうことがあるんです。でも、相手の立場になることで初めて見えてくることがあるわけで、相手のことを決めつけるクセはいかんなと。わたしに足りないのは、コミュニケーション力、人と人との摩擦や、それこそ「調和」する力なんですよね。
――つまるところどう人間関係を構築していくべきか、ということ。
キンタロー。:仕事が嫌になるのも人間関係だし、すべてにおいて大切なことですよね。エラーが起きるのも人間関係だし、自分に足りないものをこの映画を通して気づかされた。かといって、それがすぐできるわけではないけれど、自分の理想に辿り着くところを見せつけられたし、あるあるも観ましたし、反省もしました。人間関係に悩んでいる人も、違う見え方ができると思う。コミュニケーションに悩んでいる人に観てほしい映画ですね。
40代になり「命の母」飲むことも
――今日は冒頭でテスおばあちゃんの話題も出ましたが、40代になって思うことはありますか?
キンタロー。:そうですね。40代、50代は女性ホルモンのバランスも変わってくると思うので、昔はイライラしなかったことにもイライラするようになったように思います。これはまずいと思って「命の母」を飲んだりもするけれど、やっぱり昔のようにいかないことも増えてきた。そこにどう向き合うかどうかも課題ですよね。先輩芸人の大久保佳代子さん、いとうあさこさんがちょうど10歳くらい上なんですけど、先を行っているおふたりが10年前によく言っていたことが、わかるようになってきた。
だから今の大久保さん、いとうさんが発信していることを、わたしも10年後思うのかなとか、昔は他人ごとだったことも年齢を重ねると共感できるんですよね。とにかく女性はもともと繊細なのに、それにプラスしてホルモンバランスでメンタルも持っていかれたりするので、たとえばいかに自分自身でご機嫌を取れるかが今後課題になってくると思う。
でも自分自身の取扱い説明書は、年を重ねてだんだんわかってきているはず。自分で自分のご機嫌を取ることが大事かなと思っています。
――ちなみに今日はどのようにご機嫌を?
キンタロー。:この後、何食べようかなって(笑)。ちょうどハリウッドセレブをイメージした恰好をしているので、セレブな気分で今日は一日を終えたい。もともと海外志向があって、海外に強い憧れがあるんですよ。ちょうどここ豊洲にババ・ガンプ・シュリンプというお店があって、映画『フォレスト・ガンプ』に出てきたお店だと思って。
今日はこのまま海外セレブとして気分よく一日を終えたいし、それがいい方法だと思ったので、この後、家族と行って自分のご機嫌を取ります(笑)。








