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「何にでも怒り狂う母親」の苦しみとは? 松本穂香が考えた“厄介な人”の本当の正体

「厄介な人」なんて言葉で一括りにできるのか?

『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』 それは私たちにとって、ただただツイてない日であり、ツイてない一瞬の出来事で、後々笑い話に出来てしまうような出来事。  だけど、そんな「理解できない厄介な人」の周りの人の想いや、厄介な人へ至ってしまった本人の事情が、この映画には苦しいほどに詰め込まれていました。  そもそも「厄介な人」なんて言葉で一括りにしていいものなのか、そんなことを初めて考えさせられる映画でした。

最後まで考えても考えても理解できない女性

『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』 美しい花も、穏やかな鳥のさえずりさえも、己を刺激してくるものすべてを恐れて、誰よりも閉じこもっているパンジー。あらゆるものに吠え続け、パッと見はムテキに見えるけれど、その実、誰よりも苦しみ、疲れきっていたように思えます。  う〜ん、やっぱり……考えても考えても理解できない女性でした。ただ、これも身勝手で矛盾した思いですが、パンジーの周りの人たちには、彼女を理解することを諦めないでほしいな〜と、つい最後にはそんなことを思ってしまうのでした。  人間の複雑さが丁寧に描かれた作品でした! 映画館でぜひ! ●『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』 配給/スターキャットアルバトロス・フィルム 新宿シネマカリテほか全国順次公開中 ©Untitled 23 / Channel Four Television Corporation / Mediapro Cine S.L.U. Reserved. 【他の記事を読む】⇒「松本穂香の銀幕ロンリーガール」の一覧はこちら <文/松本穂香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
松本穂香
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2024年10月期月9ドラマ『嘘解きレトリック』では鈴鹿央士とともにW主演を務めた
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