「女は監督になれなかった」「可愛くしないと売れない」―男社会に抗ったふたりが語る、“怒り”の原点|映画監督・浜野佐知×俳優・菜葉菜
他人の思惑より、自分がどう生きるか、それだけを考えろ
浜野:え? むずかしい? やりたくないことはしなければいい(笑)。組織の中では確かにむずかしいかもしれないけど、それでも自分自身を生きることはできると思いますよ。他者と比べず、自分を作り上げていけば、そういう自分に合った仕事もついてくるのでは?
菜葉菜:今の時代、SNSがあるから、どうしても他人から見た自分を考えたり他者と比較してしまったりするんですよね。SNSでは、意見が違うだけで攻撃、批判、否定される。ときには死に追いやられる人もいます。そういう時代だからこそ、自分を作り上げていくことに、より価値があると思います。
浜野:意見が人と違うのは当たり前ですからね。他人の思惑より、自分がどう生きるか、それだけを考えろと言いたいですね。私はこの映画を今の日本社会に爆弾を投げ込むつもりで作りましたけど、今を生きる人たちにとってもいい意味での爆弾になるかもしれませんね。
現代を生きる女性たちにもつながるシスターフッド
菜葉菜:文子が命より大事にしている万年筆を若い女囚に託したところも、自分の気持ちを継いでいってほしいということですよね。でもときには「女の敵は女」になることもありますけどね。
浜野:男社会から差別されてきた女が、男たちに選ばれたことによって、そのポジションを守るために代理男として女を差別する。こういう女に権力を与えたら大変なことになりますよ。現になりつつありますけど。
菜葉菜:そうか……。それもまた、男社会に問題があるわけですね。根深い問題ですね。
<取材・文&人物写真/亀山早苗>亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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