日常の行動に変化が見られたのは、16歳を超えた頃。高い場所に行かなくなったり走らなくなったりしたため、家族は出窓や高さがある場所の下にステップを置いた。

19歳でもイケニャンだった
「トイレの出入り口には、スロープを付けました。あと、フローリングが滑りやすくて歩きにくそうだったので、階段やよく走る場所にはカーペットを敷きました」
食事は、20歳を超えてもドライフードがメイン。ブルーくんは柔らかいフードをあまり好まなかったからだ。飼い主さんは15歳以上用のドライフードをあげるなど、食べやすいものを選び、ハイシニアになっても食を楽しんでもらっていたという。

「ケアというより、人間のお年寄りに接する感覚で対応していました。特に、晩年の数年間は父親の介護と被っていたので、自然と人間のお年寄りが大変だと思うことをブルーにも当てはめて行動していました」
2019年4月頃からブルーくんは腸の動きが悪くなり、便秘気味に。週2回~3回、動物病院で点滴を受け、便を掻き出してもらうようになった。

治療のため、4ヶ月ほど病院通いをした
別れが来たのは、2019年10月23日のこと。前日からおしっこが出ず、飼い主さんは動物病院を受診。利尿剤を打ってくれた医師から「このまま尿が出なければ覚悟したほうがいい」と告げられた。

「ブルーは文句も言わず、嫌がりもせず、申し訳なさそうな顔をしていました」
その日は、たまたま夫も仕事休み。病院からの帰宅後、飼い主さんはブルーくんをソファーに寝かせ、ひとまず昼食を摂った。その後、医師から教えてもらった膀胱を刺激するマッサージをしようとソファーへ向かうと、ブルーくんはすでに天国へ旅立っていた。

「私たちに心配をかけないよう、ご飯を食べながらお喋りしている声を聞きながら静かに旅立っていきました。触るとまだ温いのに、抱き上げたら全身がグニャグニャで力が入らなくて。生きていないと、長いシッポがあんなに柔らかいなんて思いもしなかった。ブルーは便秘などのサインで、『覚悟してね』と伝えてくれていたのかもしれません」
ブルーくんを亡くした飼い主さんは悲しみに暮れたが、心を救ってくれたのもまた愛猫だった。
「1歳違いのナイトがいたので、いつまでも悲しんではいられないと思ったんです。存在に救われました」
なお、ナイトくんは翌年の7月25日、ブルーくんと1ヶ月違いの22歳4ヶ月でお空へ旅立ったという。

亡くなる前日まで、家族のウナギを強奪するなど元気いっぱいなおじいちゃん猫だった
亡き愛猫と生きた22年間分の思い出は多く、尊い。それらを大切に抱えながら、飼い主さんはこれからも亡き愛猫と目の前にいる愛猫の両方を愛し続けていく。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291