伸びしろ②猫ブームの前から大切にしてきた「黒ねこ」

ネコの日(2月22日)に合わせて発売された「黒ねこエコバッグ 2026」
ベローチェが持つ二つ目の魅力は、「黒ねこグッズ」にあります。
種類は多彩で、エコバッグをはじめ、充電ケーブル&USBコンセント、Tシャツや折り畳み傘といった生活用品グッズまで広く展開。これらは近年のネコ柄ブームに乗ったものかと思いきや、実は違うのです。
ベローチェの前身は1965年東京・福生に誕生した「珈琲館シャノアール」。シャノアールはフランス語で“黒ねこ”という意味で、長年黒ねこがシンボルに。そして前店の歴史を刻んだ黒ねこが今のベローチェに引き継がれているのです。

店内を見渡すと、黒ねこがデザインされた商品が目立つ
ある調査によれば、日本人の猫好きは7割という高確率なんだそう。確かにスーパーやコンビニでもネコ柄商品が目立ちます。
ベローチェではすでに黒ねこグッズのファンが一部存在するものの、今後新たにネコ好きの心をつかむような画期的なグッズが登場すれば、ベローチェのブランド力は育っていくに違いありません。
伸びしろ③男性やシニア層にも好まれる落ち着いた雰囲気

三つ目は、店内の雰囲気が落ち着いているということ。客単価の割にくつろぎやすい椅子と広めのテーブルが設置されています。そのおかげなのか、ベローチェの客層をスタバなどの大手カフェチェーンと比較すると、男性比率はやや高く、年齢層は20~60代と幅広いのが特長になっています。
これは実際に来店してみれば納得。ビジネスパーソンが平日の仕事目的で利用する、シニア層が一人でゆっくり過ごす目的として選ばれていることがわかります。
コロワイドに買収されたC-Unitedがベローチェと並んで運営する「珈琲館」は、ここ数年シニア層からの人気が高く、テレビ番組でも特集されるほど注目されています。
人気の秘密は、昔ながらの喫茶店の雰囲気と“店内手づくりのおいしい食事”にあります。高齢化がますます進む日本において、若者だけでなくシニア層にも居心地の良いカフェ空間を提供できれば、新たな客を呼び込み、客単価を上げることにもつながります。
ベローチェを買収したコロワイドは、有名レストラン(牛角、大戸屋など)やグルメ系ファストフード(フレッシュネスバーガー)の他、有名洋菓子店(チーズガーデン、クリオロなど)をも傘下に持つ外食大手企業。グループ内のノウハウをフル活用することで、カフェ新業態としてスタバを脅かす存在になってもおかしくはありません。
カフェチェーンの買収劇がはじまった2026年、業界内は今後ますますし烈な争いを繰り広げていくことでしょう。新生ベローチェがどのような強みを持って変貌を遂げていくのか、じっくり注目していきましょう。
<文/食文化研究家 スギアカツキ>