友達になりたい人と出会えるだけで「めっちゃいい人生」
――確かに。その場の雰囲気も含めての食事になる気はします。
吉住:旅行もそうなんです。私は気を遣ってしまうタイプなので、例えばバスに乗りそこねた時、相手に対する謝罪の気持ちや罪悪感がどんどん溜まっていくんです。その後で「じゃあどうする?」って言い合う時間もめっちゃ苦手ですね。そうなると旅がしんどくなってしまう。
――わかります(笑)。
吉住:1人旅ならバスに乗れなくてもルートを調べ直して電車を使うとか、雑貨屋さんを見に行こうとか臨機応変に動けるじゃないですか。あと「1人でもできた!」っていう達成感もいい。初めて行く街に1人で乗り継いで着けた時は、ちょっとレベルが上がって自分を好きになれる感覚を味わえますね。
――それはもう、根本的に1人でいることがお好きなのでは?
吉住:でも今の私は、実は友達を作りたいフェーズに入っているんです。「絶対にこの人と仲良くなりたい」って思える人との出会いがあるだけで、めっちゃ良い人生かもって考えるようになりました。
――どういう人と友達になりたいと思いますか。
吉住:自分の知らないことを知っている人かな。この前、パーパーのあいなぷぅとヨネダ2000の誠ちゃんと一緒に『名探偵コナン』の映画を見に行ったんですよ。そこで改めて誠ちゃんのことをステキな子だと思いました。後輩だけど、友達になりたい一人です。
誠ちゃんの嬉しいことを嬉しい、美味しいものを美味しいと言える健やかさ。何か面白いことをやりたいっていう芸人としての素直さ、ピュアさも好きです。そんな誠ちゃんの隣にいたら、私の自覚していないピュアさを引き出してくれるのかも、と。
――最後に、今後40代を迎えるにあたって「理想の生き方」を聞かせてもらえますか?
吉住:私は現在36歳なのですが、悩み方が20代と変わってきたように思います。私はネタを書いているという後ろ盾がある分、物書きとして偏屈であっても良いと、ずっと自分に言い訳してきたんですよ。
作り手としてはそれで問題ないけれど、女性としてはきっと難しくなっていくし、人生そのものにも影響がでてくる。だから今は変なこだわりを手放せるようになりたいです。
――それってかなり大きな変化なのでは?
吉住:はい、生きやすくなりましたね。きっと今の私は、20代の頃のようなネタは書けないと思います。でもその分だけ、あの頃に書けなかったものが書けている。芸人として、人間としてのバランスを取りながら生きていきたいと思っています。
<取材・文/もちづき千代子、撮影/星 亘>
もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
@kyan__tama