正名さんと言えば、その不思議な名前が表す通り松尾スズキさん主宰の劇団・大人計画に所属していた俳優として知られていますが、映像業界でもベテランの名脇役として数々の作品に出演しています。
1990年代から数々のドラマに端役として出演。大ヒットドラマ『ショムニ』(フジテレビ系)では、石黒賢さんの後輩でのちに人事部に異動する岡野玄蔵役(急逝した伊藤俊人氏の後任)、木村拓哉さん主演『HERO』(フジテレビ系)では、守衛から検察事務官に出世する井戸役で注目を集めました。

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その後、数々の作品の名バイプレイヤーとして活躍。『遺留捜査』(テレビ朝日系)の巡査部長・仙道役や、『DOCTORS〜最強の名医〜』(テレビ朝日系)の外科医・佐々井役での人気シリーズのレギュラー出演も印象に残るところです。
近年では『真犯人フラグ』(日本テレビ系)のカツラ部長・太田黒芳春役でも強いインパクトがありました。大河ドラマ『べらぼう』(NHK)では、ヒロインのひとりである花ノ井(小芝風花)を預かる主人・松葉屋半左衛門として出演。吉原の大店の寄合メンバーという重要な立ち位置で前半の物語を盛り上げました。今年の春期にはコア人気を誇るドラマ『るなしい』(テレビ東京系)で怪演を見せつけています。
なによりも印象深いのが07年の映画『それでもボクはやってない』の演技です。

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誠実な裁判官・大森役の地味ながらも味のある演技は短い出番ながらも強い印象を見る人に与えました。この好演で第17回東京スポーツ映画大賞・助演男優賞を受賞。
この映画賞は現在は開催されていませんが、かつて北野武氏が審査委員長をつとめ、自身の映画の関係者に賞を与えるという個人的主観が強い賞として有名でした。
しかし、北野映画関係でもない上に、しかも事前にノミネートされていなかったにもかかわらず、北野氏の強いプッシュで正名さんに与えられたといいます。それだけ彼の存在感や演技が世界の巨匠をうならせたということでしょう。