
本デザートの開発で、特に苦労した部分について教えてもらいました。
「具材の上からゼリーを流す時の『温度調整』は難しかったです。熱すぎると具材が溶けてしまうので、ちょうどいい温度を見つけるのに苦労しました」
さまざまな具材が入っているため、全体の味わいのバランス調整にも悩んだと言います。
「和風のデザートなので、わらび餅や羊羹、羽二重餅を入れて、見た目と味わいのアクセントとして和の食材と相性の良い『
あんず』を入れました」
このあんずを2つにするか1つにするかでも、試行錯誤があったとのこと。
「試作品では2つ入っていましたが、そうするとあんずの印象が強くなりすぎてしまうため、最終的には1つになりました」
さらに、商品の底に沈んでいる羊羹に関しては、このゼリーにマッチする味わいと食感にこだわって、わざわざ専用に開発したのだそう。
「特に食感についてはゼリーとのバランスを考え、羊羹の固さの微調整にこだわりました。
少なくとも5~6回は試作を繰り返しています。一般的な羊羹は寒天を使いますが、この羊羹にはアガーという凝固剤を使用することで、絶妙な硬さに調整しました」
細かな試行錯誤の末に、この計算され尽くしたバランスが生まれたのですね!
売上150%超え!社内でも異例の「一発合格」だった

SNSで話題になったことで、反響はどのように変わったのでしょうか?
「5月中旬にXで話題になり、大きな反響がありました。話題になる前週と比較すると、
150%を超える売上になりました」
なんと、
1週間で5000個以上も売り上げたのだとか。それ以降も継続して売上は伸びている状況だといいます。
「毎年の定番人気商品でしたが、今年は話題になったおかげでさらに注目していただき、ぐっと売上がアップしたという状況です」
実はこの商品、
開発会議において“一発で合格”した期待の星だったといいます。通常、新商品はおおむね2回は試作し直してから商品化に至るもの。一発でGOサインが出るのはかなり珍しいことだそうです。
「色々な素材を閉じ込めたスタイルが『新しいね』と社内でも高く評価され、会議で一発で通りました。インパクトのある商品だと思ったので、『バズるといいな』とは発売当初から思っていたんです。今年は大きな反響をいただき、3年越しに花が咲いた感覚ですね」
成城石井の洋菓子が話題に上ることは過去にも何度かありましたが、和風デザートがバズるのは珍しいケースだといいます。