Entertainment

朝ドラ『風、薫る』で注目の古川雄大。テーマパークから“完璧な貴公子”へと上り詰めた異色の経歴と努力

 見上愛と上坂樹里W主演の連続テレビ小説『風、薫る』(NHK)で、古川雄大が外科教授役を演じている。最初はあからさまに主人公である看護婦たちを見下す尊大なキャラクターだったが、途中からそれなりに人間味のあるところもにじませる。  高貴な佇まいを武器にする古川だが、高貴と尊大の裏に葛藤をもつ役柄がよく似合う。圧倒的な貴公子像を造形するための、地道な努力がある俳優である。  ミュージカルスターに上り詰めるまでに、異色の経歴があったことも興味深い。そんな古川雄大について、“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。

高貴な役が似合う古川雄大

 古川雄大ほど、貴公子という言葉が似つかわしい俳優は他にいないだろう。実際、ミュージカル界の貴公子と称されることがある古川は、現在放送中の連続テレビ小説『風、薫る』においても、高貴な佇まいがとにかく印象的である。  古川が演じるのは、主人公たちが看護婦として勤務する、帝都大病院の外科教授・今井益男役だ。第7週第32回、何とも厳めしい総回診場面で初登場する。廊下をぞろぞろ歩く外科の面々が付き従う。その先頭に立つ今井が、一糸乱れぬ動きで病室に向かう。  ただ1つ特異に動くものといえば、美しい弧を描く眉毛。時折、くいっと眉山が上がる。これが見事にエレガントな曲線となる(主人公が看護に苦戦する頑固な患者役の野添義弘もまるで古川につられるように眉毛を一瞬上げるショットがある)。  どこからか聞こえる鐘の音と廊下の窓から今井の顔に差し込む日差しも神々しい雰囲気を演出。誰がどう見ても、高貴な役が似合う俳優だ。

ミュージカル俳優の登竜門と異色の経歴

『テニスの王子様』を(2.5次元)ミュージカル化した、いわゆる「テニミュ」出演を足掛かりにした古川だが、出世作は2012年のミュージカル『エリザベート』だった。1992年のウィーン初演から20周年という節目に、古川はオーストリア皇太子ルドルフ役を得た。  ルドルフは、皇帝フランツ=ヨーゼフ1世とその妃エリザベートとの間の子であり、歴史の潮目の中で父とは政治的に反目した。そうした重厚な葛藤のキャラクター性を表現する必要があり、ルドルフ役はミュージカル俳優の登竜門といわれたりもする。  そして皇太子という高貴な役柄が、貴公子俳優・古川雄大のターニングポイントといえるだろう。有名ミュージカル作品で重要な役を掴む前には、こんな異色の経歴もある。高校卒業後、事務所に所属した古川は、テーマパークのダンサーとしてパフォーマー経験があった。
次のページ 
地道な努力によって造形された貴公子像
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ