『風、薫る』“嫌われ役”なのに妙に目が離せない40歳三浦貴大。父・三浦友和とは対照的な“動作で魅せる演技力”
見上愛と上坂樹里W主演の連続テレビ小説『風、薫る』(NHK)で、おそらく唯一の嫌われ役といえば、三浦貴大演じる奥田亀吉だろう。
第2週第7回で主人公の夫になった亀吉が、第24週第116回で再登場した。主人公はもちろん、視聴者にも彼の再登場を喜ばしいものとは思えない。
だが、三浦貴大の演技は面白い。純粋に動作で楽しませる俳優である三浦貴大について、“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。
『風、薫る』第24週第116回ラスト、主人公・一ノ瀬りん(見上愛)の夫だった奥田亀吉(三浦貴大)が再登場した。待望の、とは言いがたい。なにせ、りんは大酒飲みで粗暴な亀吉を嫌い、幼かった娘を連れて東京に逃げてきたのだ。
日本の看護婦のパイオニアとして身を立てたりんの元に、今さらなんのようでやってきたというのか? 誰もが疑いの眼差しを向けざるを得ない。第2週第7回冒頭で描かれた、祝言の場でさっそく目を剥いて泥酔した亀吉の姿を思い出してみる。
りんの顔を見れば、酒をもってこい、酒をもってこい。りんが亀吉の身体を気遣い、水を渡すと暴れだす。いいところなんて1つもない。
本作中最も嫌われているキャラクターといってもいいのだが、そんな人物でさえ再登場するのが、連続テレビ小説のマナーでもある。
亀吉の再登場は、決して喜ばしいものではないのだが、でもその登場の仕方には目を見張るものがあった。
基本的に放送週のはじまりで登場人物が入れ替わる連続テレビ小説では、思わぬ人物の再登場が新鮮に感じられるよう工夫されているからである。
第116回ラストで、派出看護婦会の詰所の外が映り、看護先に出掛けていくりんがまず画面上手奥からフレームアウトする。すると今度は下手(画面手前)から亀吉がカニ歩きでフレームインするのだ。
やや挙動不審でかなり猫背の亀吉が入り口に近づく。障子を少しだけ開けて、隙間から中の様子を伺う。ちょっと憎めない気もしてくる。
第118回で成長した娘の環(瀧七海)と再会する場面でも、同じような引きの画面の上手から(カニ歩きではないが)またふらふらと亀吉が現れる。
嫌われキャラでも再登場するマナー
引きの画面にカニ歩きでフレームイン
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