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「寝たきり老人にお風呂を!」から48年。なぜ『24時間テレビ』のテーマは“ポエム化”し、感動を売るしかなくなったのか

今回のテーマは「わたしの家族の話〜あなたは誰を想う?〜」

 2000年代以降も、この傾向に歯止めはかかりません。「がんばる…君のために!」(第23回 2000年)、「家族で笑ってますか…?」(第25回 2002年)、「力〜わたしは、たいせつなひとり。〜」(第34回 2011年)、「小さなキセキ、大きなキセキ」(第37回 2014年)、「明日のために、今日つながろう。」(第46回 2023年)、そして今回のテーマ「わたしの家族の話〜あなたは誰を想う?〜」といった具合です。  つまり、1990年代以降の『24時間テレビ』のキャッチコピーには、筋道を立ててロジックで物事を捉えられなくなった社会の空気が言葉という形であらわれているのです。

番組批判は「やりどころのない苛立ち」の表れ

 そう考えると、『24時間テレビ』にとってマラソンが欠かせない理由が見えてきます。それは、なんとなくみんなで泣いたり共感したりしたいという漠然とした願望に対して、わかりやすい場を提供してくれるからです。  ユルいキャッチコピーに広がった余白を埋めてくれるものは、誰かの具体的な負担、痛み、疲労しかない。言葉を活用できない代わりに、原始的な感情表現に立ち戻っていく。  つまり、毎年のように繰り返される『24時間テレビ』への批判は、言葉を失った時代へのやりどころのない苛立ちでもあるのです。  そして、憤りながらも、中身のない感動でしか他者とつながれない虚しさをも味わわされているのです。 <文/石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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