良い人と思われたい、良い人でいたい。そう思うのは自然ですし、人間関係を円滑に保つためにも必要です。でも過剰にサービスしてしまったり、気づかいが過ぎてしまったり。自分の中の“良い人”基準に疲れてしまうこともあります。

ワダさんの推しは、四六時中カメラに張り付かれ、ファンに対しても常に神対応をしていたそうです。「早く休ませてあげたい」と胸を痛めてしまうのは、ファンなら当然でしょう。
自分に置き換えても、同じなのです。いつも良い人である必要はありません。
〈推し(わたし)に神対応を期待しない〉
たまには塩対応でもいいのです。「良い人」の自分はちょっと休憩中、と気持ちを切り替えて、明日の笑顔に備えましょう。
流行りのドラマや漫画、素敵なコンテンツに触れるたびに、ネットで誰かの感想を探してしまう。みんなと一緒なら安心で、自分が間違っていないことにホッとする。
推し活ですら、SNSの反応に振り回されてしまう。いつしか、自分の意思が迷子になってしまうことも。
誰かの意見や感想を参考にするのはいいけれど、自分の心から湧き上がる素直な気持ちや感覚をないがしろにするのは、ちょっと違います。

〈他人の言葉で上書きしない〉
映画、音楽、おいしいスイーツなど、毎日は小さなときめきであふれています。よろこびだけではなく、悲しみも辛さも、自分の言葉で表現して、たくさんの感情を味わえたら、日常はもっと色とりどりになるでしょう。
なぜか私達は、自分の幸せを後回しにしがちです。自分ファーストやご自愛という風潮もありつつ、なんだか気恥ずかしくて…、という人も多かったのではないでしょうか。
〈「推し(わたし)仕様」に落とし込んでみた〉という本書、一読すれば、あなたの一番の推しはあなただと、改めて気づくはずです。

<文/森美樹>
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『
主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『
母親病』(新潮社)、『
神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。
X:@morimikixxx