――奥さまから「ママは2人もいらない」と言われたことがあると。
照英:自分は妻のことを愛してるから、助けてあげてるつもりだったんです。ゴミ捨てから茶碗洗い、料理、お散歩、お買い物、全部俺がやるよって。俺だって30歳まで一人暮らししてきているわけだから。でも妻は「私を馬鹿にしてんの?」っていう気持ちになったみたいで。
――良かれと思ってやったことが、裏目に出てしまった。
照英:そうなんです。机のホコリを取ったティッシュを置きっぱなしにするとか、飲みかけのコップをそのまま置いておくとか。妻が癖でやっていることを片付けようとすると「嫌味ですか」みたいな空気になって。俺は優しさのつもりだったのに、「あなたは仕事をしてください」と。そして、すっごい剣幕で「家にママは2人もいらない!」と。
照英:そこから何が必要で何が要らないのかを考えていって。離乳食も作る必要ないのかとか、料理をやめようとか。今の自分の役割は、ゴミ捨てと家の前の掃除、植木の手入れ、たまに茶碗洗いや洗濯、あとはPTAや三者面談とか。妻の様子を見ながら選別してます。
それでも、たとえば「風呂洗っておいたよ」と伝えると、妻に「ありがとう」と言われつつ、「頼んでないけど。私はいつもやってますけど」みたいな雰囲気も感じるので、感覚を掴むのがいまだに難しいんですけどね(笑)。
<取材・文・写真/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi