
男性のハワイ旅行が今年で最後になるかもしれないと聞いていたのは、娘さんから「もう心配だから、70歳を超えて一人で海外旅行に行くのはやめて」と言われたからというのも話してくださいました。
それなら「ひとりでなければいいのか」と考えたお客様。なんとつい最近、中学生のお孫さんとニューヨークに行かれたそうです。
「じいじの見張り役」として中学生になっても、一緒に旅をしてくれるお孫さんはとてもいい子だなと思いながら、そのとき撮った写真も見せていただきました。そこには本当に楽しそうなおふたりの姿があって、涙が滲むような温かい気持ちにもさせてもらいました。
最近、観光トレンドのひとつとして「スキップジェネレーション旅行」という言葉が注目されているのをご存じでしょうか。この言葉を日本語に直訳すると「世代を飛び越える旅行」になります。
つまり、親世代を一世代飛び越えて、おじいちゃんやおばあちゃんと孫だけで出かける旅行が新たなトレンドとして注目を浴びているそうなんです。
親世代は仕事があり忙しく、時間的にも経済的にも旅行の負担が大きくなりがちです。一方、祖父母世代には、比較的時間にも経済的にも余裕がある人もいます。
また、最近は旅に求めるものも、単に観光地を巡ることだけではなく、誰かと特別な時間を共有したり、一緒に新しい体験をしたりすることへと広がっています。そうした価値観の変化も背景にあり、世代を超えた共有体験ができる「スキップジェネレーション旅行」は、世界的にも注目されています。
私自身、祖父母と旅行をした経験はないのですが、幼い頃、祖父母の家にひとりで泊まりに行き、一緒に高尾山に登ったことがあります。
祖母がおにぎりを握ってくれて、寡黙な祖父と一緒にもくもくと登りました。山の途中で、一緒におにぎりを食べたことを、今でも鮮明に覚えています。
親とはまた違う距離感だからこそ、子どもも普段とは違う表情を見せることがあるかもしれません。親には遠慮がない子どもたちも、祖父母と一緒にいると、少し大人びた表情を見せたり、相手をいたわったりする。そんな関係性が生まれるのも、世代を一つ飛び越えた旅ならではの魅力なのかもしれません。
共働き家庭が増え、親世代が仕事や子育てに忙しい現代だからこそ、祖父母が子どもたちに関わる機会にも、さまざまな可能性があるのだと思います。そして、旅という非日常の時間があることで、普段とは違う家族の関係性が生まれていく。
今回のお客様の姿を見て、そんな世代を超えた家族のつながりも素敵だなと改めて感じました。