「残念な夫。」公式サイトより
「今日は会社休みます。」でイケメンCEOを演じ世の女性たちの心を鷲掴みにした玉木宏が、誰もがうらやむ“理想の夫”になるべく迷走する榛野陽一役で話題の「残念な夫。」(フジテレビ系)。
コメディタッチで重たい題材もついクスっと笑ってしまう軽やかさがありますが、現実の「残念な夫」は笑顔も引きつる残念ぶりのようです。
<ユリエさん(仮名/8か月の娘をもつ29歳)の夫の場合>
夫は会社イチのイケメンといわれた職場の上司。おしゃれ志向で、新婚生活はデザイナーズマンションにおしゃれな家具でスタートしました。
ステキな部屋でイケメン夫が愛をささやいてくれる。ドラマの主人公になった気分でしたよ。すぐに妊娠もして私は世界一の幸せ者だと思っていたのですが、娘が生まれてからどんどん残念な面があかるみになってきました。
夫が買ってくる娘の服や育児グッズはデザイン重視で、値段や使い勝手は二の次。まだ遊べもしない知育玩具を買ってきてむりやり遊ばせようとしたり幼児教育レッスンの体験巡りをしたり教育熱心な父親気取りですけど、結局は子どももインテリアの延長でしかないんです。
誰もがうらやむステキな
娘を連れて歩くカッコイイ父親になりたいだけ。その証拠に、子どもの身の回りの世話は一切やりません。
<ノリコさん(仮名/1歳6か月の息子をもつ32歳)の夫の場合>
妊娠の発覚と同時にイクメン宣言をされ、妊娠中から育児雑誌を読み漁っていました。子どもが生まれてからも家にいるときはお風呂に入れたりごはんを食べさせたり、遊び相手もしてくれます。傍からみればまさにイクメン。
でも、都合のいいことしかしないんです。
泣き止まないときやオムツが汚れるとすぐに「ママ~」とバトンタッチ。
観たいテレビがあるときは子どもが寄っていっても無視。そのくせ育児雑誌から学んだ知識で発育やしつけ、食事のメニューなどいちいち口出ししてくるんです。
友人や近所の人にもイクメンぶりをアピールしていてうらやましがられているからグチをいえる場もなく、このまま中途半端なイクメンに大きな顔をさせていていいのかと思案中です……。
<ミキさん(仮名/1歳11か月と2か月の子をもつ32歳)の夫の場合>
まだ上の子だけだったとき、「気分転換しておいで」と言ってくれたので夫に預けてランチに出かけたことがあったのですが、帰宅すると用意していった昼ごはんのうち子どもの離乳食だけが手付かずで置いてありました。
自分は食べて子どもには食べさせていないのかと思ったら「お菓子食べてたら『こっちがいい』っていうからあげたら、美味しそうによく食べたんだよ!」と嬉しそうに報告してきた夫。まだ
離乳食中の子にスナック菓子を与えて、しかもごはん代わりにしていたんです。
乾ききったうんちがおしりにこびりつきオムツは重みで垂れ下がって、座れずにつかまり立ちのまま散らかりまくった部屋で遊ぶ子どもの姿を目にしたときは怒りがこみ上げました。
それでも夫は何がいけないのか分かっていない様子。今でも「子ども見てるから出かけておいで」と笑顔で言ってはくれるのですが、二度と頼まないと心に決めています。
「理想の夫」を目指しながらもどこかズレている「残念な夫」たち。家庭的な夫がもてはやされるイクメンブームの陰で、榛野陽一よろしく“勘違いイクメン”が増殖中のようです。
<TEXT/千葉こころ>
千葉こころ
ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。