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女が不倫に堕ちたきっかけは、男の意外な一言だった

 夕飯の献立を考え、家事をこなし、夫と子どものために、妻として、母として献身する主婦。

『多少の不満は抱えていても、現状を変えたいとまでは思わない』。そんな不倫とは無縁の世界にいたはずの女性たちでも、ちょっとしたきっかけで女の顔を露にすることがあるようです。

他愛ない会話が予想外の展開に



 結婚生活15年目を迎えるアヤコさん(仮名/44歳)は、「夫の顔を見るだけで、考えていることはほとんど分かります」というほど、妻として尽くしてきた主婦のひとり。家計の助けになるようにと、子どもが手を離れはじめた3年前から一駅となりの飲食店でパートもはじめました。

女が不倫に堕ちたきっかけは、男の意外な一言だった「夫婦仲は可もなく不可もなく。それなりに不満はあるけれど、『こういう人だから』で納得しちゃってますね(笑)。15年も一緒にいるんですから。

 家族としての情や絆は深いと思いますが、男女の恋愛感情なんて遠い昔に置いてきましたよ」と、どこの家庭からも聞こえてきそうな妻のセリフを口にするアヤコさん。

 そんな彼女ですが、実は今、1年に及ぶ不倫の真っ最中なんだとか。

 相手は、パート先の飲食店の常連客だった3歳年上の既婚男性。出会った当時、彼は近隣に建つオフィスビルに入った企業に勤めていたそうです。

「週に2~3回ほど、ランチには少し遅めの時間にいつも来店されていました。混雑時なら話すヒマもないのですが、片付けもひと段落したころなので、いつのころからか会話を交わすようになりました」

 常連客と店員の他愛もない世間話。そんな関係が2年近く続いたころ、会計時に彼からそっと手紙を渡されます。

「休憩時間に読んだら、『部署移動が決まって、もうここには来られない。多忙な業務の中、あなたとの会話は安らぎだった。お礼に一度だけ、食事に付き合ってもらえないか』と、連絡先が書かれていました」

抑え込んだ欲求が、主婦を不倫へと走らせる



 男性から誘いを受けることもなく過ごしてきた15年。思わぬ出来事に戸惑いながらも、「一度だけなら」と、食事に応じたアヤコさん。半個室のオシャレなレストランで、ふだん口にすることのないような食事とお酒を2時間ほど楽しんだそうです。

「雰囲気に飲まれたといわれれば、それもあるかもしれません。でも、彼は私のタイプではないし、特別会話が弾んだというわけでもありませんでした。ただ、彼が言ってくれた一言が、たまらなく嬉しくて……」

 不倫にも相手の男性にも興味がなかったそうですが、彼の発した一言が思わぬ心の変化を招いたといいます。

「家事や仕事で荒れた手先が、私にはコンプレックスでした。ネイルなんて似合いもしない、ガサガサで血管の盛り上がった手。でも、彼はキレイだといってくれたんです。『働き者だけが持つ美しさがある』って」

 どんなに家事をこなしても、夫から労いの言葉ひとつかけてもらったことがないというアヤコさん。彼のその一言が、頑張ってきた今までの自分すべてを肯定してもらえたような気持ちになったといいます。

「そんなことで? と思われるかもしれませんが、働き振りが家族にとって当たり前になっている主婦ほど、褒められることがありません。認めてほしい気持ちがあっても、どこかでもう諦めているんです。彼の一言は、そんな私の抑え込んだ欲求を一瞬で満たしてくれたのだと思います」

 彼の転勤で物理的な距離は遠くなったため会える頻度は低いそうですが、今でも会うたびに手を触れ合わせ、褒めてもらっているとのこと。

「彼に認めてもらえたことで、家事も仕事も前向きに打ち込めるようになったんです。ハンドケアも念入りにするようになって、自分の手をようやく好きになれました」と、アヤコさん。

 不倫とは縁がないと思っている無防備な女性ほど、欲求をしまいこんだ心の隙間に注意が必要なようです。

<TEXT/千葉こころ  PHOTO/Odua>

千葉こころ
ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。




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