野口さん
「自分の仕事は、簡単な掃除などの雑務でした。暇な時間がたくさんありましたから、いろんなことを考えました。
『どうすればより効率よく仕事が回せるか』『どうして自分は好きだった店に行かなくなったのか』『どうすればこの店でもずっとお客様に愛されるか』。
頭って、使わないとどんどんダメになっていくと思うんです。
商売は、需要があってこそ成り立ちますよね。だけどお客様のニーズに沿ってサービスを変える柔軟性を持たないサービス業もけっこうあると思います。自分の欲しいものやサービスが手に入らなかったら、もうその店には行きませんよね。
だからお客様に合わせて、どんどん形を変えていく必要があるんです」
仕事が暇だ、ラッキー! と思うか、自分にできることを考えて実行するか。職場で伸びていく人は時間を無駄にしないのでしょう。
「組織は連係プレーです。大きな会社でも小さな会社でも、自分がなんの役割で、なんの仕事をしているのかわからなかったら、いい仕事はできません。
自分は何番目のどこの仕事をしているのか、会社での立ち位置をわからず仕事をしている人があまりに多いと感じます。
アルバイトで雑用をしていたときも、『
これはなんのためにやるの?』、『お客様はいつ来るの?』、『もっと私を使ってもらうにはどうしたらいいの?』と考えていました。
どんな小さなことでも、常に何か考えていると、ものごとは発展していきます」
※写真はイメージです
では、野口さんのようにサービス残業をすれば正社員になれる? いえいえ、そうではありません。
「『取締役になってやろう』とか『乗っ取ってやろう』とか考えていたわけではありません。ただただ楽しくて、夢中になってやっていたら結果、こうなっただけ」と言います。
「どうせアルバイトだから」「どうせ時給800円だから」「どうせ私なんて」と考えたことはないそうです。
「私、子どもの頃にリカちゃん人形になりたかったんです。そんなの絶対に無理でしょう? でも夢を持って、『いつかはきっとなれる』と希望を持つことが大事。だって今、好きなお洋服を着て、好きなものを買って、リカちゃんのような生活をしていますから」と野口さん。
「大恥をかいたこともたくさんあります。でもまあ、こんなもんだろ、と思って気にしないで、なんでもやってみることにしているんです」。
超絶楽観&ポジティブ、これが人生を発展させる鍵なのかもしれません。
(次回に続く)
<TEXT/和久井香菜子>
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