息子のイタズラ癖で知った団地のあたたかさ【シングルマザー、家を買う/56章】
おじいちゃんの“なんでも釣れる釣り竿”
「わぁ、すごいですね~! これで釣ったんですか!」
私は素直に感動していると、おじいちゃんはその釣竿を私によこしてくれた。
「だから、息子くんが投げた洗濯物も、全部これで釣れるはずだよ」
おじいちゃん……優しい! 私は遠慮せず釣り竿を借りて、2階にひっかかったバスタオルをピックアップすることに成功した。
息子はそれを見て「おおお!」と感動しパチパチと手を叩くと、おじいちゃんは「な! 本当になんでも釣れるだろう!」と言ってくれたのだ。
拾ってくれていたのはおじいちゃんだった!
- ママ。80年生まれの松坂世代。フリーライターのシングルマザー。逆境にやたらと強い一家の大黒柱。
- 娘(8歳)。しっかり者でおませな小学2年生。イケメンの判断が非常に厳しい。
- 息子(5歳)。天使の微笑みを武器に持つ天然の人たらし。表出性言語障がいのハンデをものともせず保育園では人気者
吉田可奈
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、出版社に入社、その後独立しフリーライターに。音楽雑誌やファッション雑誌などなどで執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。長男に発達障害、そして知的障害があることがわかる。著書『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる』Twitter(@knysd1980)
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