SMAP解散でも功績は消えない。「SMAPを通して知ったもの」
各方面に大きな影響が広がっているSMAPの解散。音楽好きとして心配なのは、今後彼らの楽曲がどう扱われるのかという点です。間口の広いSMAPの曲を通じて、実に様々な音楽と出会えたのですね。
作詞のスガシカオがクローズアップされがちですが、その言葉を支えるメロディーを書いたのが川村結花でした。SMAPというグループのよるべなさが、そのまま形になったようなほの暗い曲。SMAPが「夜空ノムコウ」を歌わなければ、彼女のアルバム『Lush Life』を手にすることはなかったでしょう。
なかでも「遠い星と近くの君」は、忘れがたい一曲。YO-KINGの詞にある<僕>という単語が嫌味なく響く点で、凡百のJポップとは一線を画しているのです。
「White Christmas」の作者アーヴィング・バーリンが、作曲についてこう語っていました。「自分にはせいぜい8つぐらいしか曲のパターンがない。あとはそれをちょっとずついじって、まるで別の曲みたいに仕立て上げる。言ってみれば、家具を組み立て直すようなものだ。」
「らいおんハート」でコモリタミノルがしてみせたのが、まさにそれでした。その前年に出た三浦大知の「Everlasting Love」と続けて聴けば、よく分かるはず。当り前のことですが、全くの無から有を生み出すわけではないのだと、改めて教えられます。
彼らほどの存在ともなれば、それぞれに強い思い入れがあることでしょう。ですので、ここからは筆者個人の印象に残っている楽曲から、SMAPのおかげで知ることのできたソングライター、ミュージシャンを振り返っていきたいと思います。
①「夜空ノムコウ」と川村結花
②「らいおんハート」とコモリタミノル
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